倒産危機を乗り越えた3代目の挑戦
「もちはだ」は、1970年に兵庫県加古川市に誕生した防寒ブランドで、今では「着る暖房」として知られています。代表的な製品にはインナーやアウター、靴下などがあり、その保温性の高さが独自製法「鷲尾式起毛」によって支えられています。この技術のおかげで、「もちはだ」は冒険家の植村直己氏が南極横断の際に使用したことで有名になりました。
しかし近年、地球温暖化の影響で暖冬が続く中で、ワシオ株式会社はメーカーとしての厳しい経営環境に直面しています。冬場の売上減少に苦しみ、倒産の危機さえ感じていた同社は、2024年1月、3代目の鷲尾岳が代表に就任し立て直しに挑戦します。
再生への第一歩
新しい代表のもと、ワシオはまず内部体制の見直しや費用の合理化に着手。従来の経営方針を見直し、大手ECモールから撤退するなど、思い切った決断を行いました。その結果、業績改善の道を模索しているのです。一方で、業界や顧客のニーズも同時に分析し、新たな可能性を探る努力も重ねられています。
「隠れ冷え」と呼ばれる無自覚な体温低下や、夏場の冷房による冷えの問題が増加していることに着目し、それに対するソリューションとして「もちはだ」の製品が復活することが期待されています。鷲尾岳さん自身も「もちはだ」の製品を着用することで、冬場の暖房費がまったくかからない生活を実現しており、その体験を元に商品価値を再構築しています。
リブランディングの取り組み
2023年10月10日、ワシオは「もちはだ」の公式サイトを全面リニューアルしました。このサイトは、商品の機能的価値だけでなく、消費者に与える情緒的価値も強調するデザインに生まれ変わりました。見やすく、わかりやすい情報構造をもつサイトは、消費者が求める情報にスムーズにアクセスできるよう工夫されています。
新たに「企画・広報課」を設立し、もちはだの魅力を伝える活動を強化する理由として、出荷対応のスタッフの中から訓練されたメンバーを選出したのは、シンプルですが強力な手法です。彼らの顧客第一主義が、ブランドの価値を広める手助けをすると期待されているのです。
未来への展望
「もちはだ」は今後も、独自製法によって提供する商品の普及を通じ、体の冷えに悩む人々に「ほっとする瞬間」を届けていく方針です。温暖化の影響下でも広がるニーズに応えられるよう、常に変化し続ける姿勢が求められています。3代目の鷲尾岳は、リブランディングを通じて新たな未来を切り開くことを誓っています。最後に、これから「もちはだ」がどのように成長していくのかに目を向けていきたいと思います。
詳細な情報は
もちはだ公式サイトを参照してください。