東京都写真美術館「TOPコレクション Don't think. Feel.」
東京都目黒区の恵比寿ガーデンプレイスに位置する東京都写真美術館が新たに開催する特別展「TOPコレクション Don't think. Feel.」は、現代社会における「感じる力」の重要性に焦点を当てています。本展では、収蔵品39,000点の中から、五感を刺激する作品を展覧し、観覧者に肉体的な体験を提供します。
感覚を取り戻す展覧会
AI技術の急速な進展に伴い、人間に特有だった感情や感覚が価値を失いつつあります。こうした社会背景の中、「感じること」の重要性を問い直すことが本展の大きなテーマです。写真や映像が心に触れる瞬間を捉え、共感覚や創造的なコミュニケーションの可能性を探求装置として用います。特に香港の武術家ブルース・リーの「Don’t think. Feel.」という言葉は、本展の思想を象徴しています。
様々な体験を提供するオムニバス形式の展覧会
本展は五つの小テーマで構成され、各セクションで異なる感覚体験を楽しむことができます。初めのセクションではブルース・リーの言葉に着想を得た作品が展示され、身体的な感触がどのように視覚表現に組み込まれるかを探る試みが行われています。例えば、戦後日本の写真家による作品を通じて、触覚的な視覚体験を実感できるでしょう。
次に「家族写真の歴史民俗学」では、家族写真の進化と社会的な意味についての展示が行われます。大阪大学の川村邦光名誉教授が協力して創作した作品により、家族の歴史を視覚化しています。
そして、川内倫子の「Illuminance」シリーズが紹介され、光の感覚とそれがもたらす一瞬の美しさに浸ることができます。川内は、瞬時に出会った光景を捉えることから、観る者に独特の時間感覚を体感させます。
「記憶の部屋」セクションでは、観覧者の心の奥に隠れた記憶や感情を引き出す作品が特集されています。スナップショットや過去の風景が、私たちの記憶にどのように影響を与えるかを考察します。
最後に「イメージの奥にひそむもの」では、写真芸術の奥深さを感じることができ、伝統的な手法から現代アートまで幅広く展示されます。このセクションでは、作品が映し出す背後の作者の感性について思いを巡らせることが出来ます。
特別な体験プログラム
また、展覧会では「触れて感じるTOPコレクション」という体験コーナーも設けられています。鑑賞者が展示作品に触れ、実際に五感を体験できるよう様々な触図を用意し、積極的な交流が可能です。さらに、昨今のコミュニケーション手段の多様化を反映し、音声通訳のギャラリートークや、触覚を通じたダンスプログラムなども計画されています。
まとめ
「TOPコレクション Don't think. Feel.」展は、ただ観るだけの美術館体験を超え、五感全体でアートを享受することを提唱しています。この展覧会を通じて、私たちの内面的な感受性や、人間らしさを再発見する機会となるでしょう。アートを通じてつながる感情と共に、ぜひ東京都写真美術館へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
開催概要
- - 会期:2026年4月2日(木)~6月21日(日)
- - 会場:東京都写真美術館 3階展示室
- - 主催:東京都写真美術館
- - 電話:03-3280-0099
- - URL:東京都写真美術館公式サイト
ぜひこの機会に、AI時代を生きる私たちが「感じる」ことの大切さを体感してみてください。