愛知県豊橋市が新たな地球温暖化対策を講じ、廃食用油から製造されたバイオディーゼル燃料を混ぜたB5軽油を公用車に導入することが決定しました。このB5軽油は、軽油に5%未満のバイオディーゼル燃料を混合したもので、法律で定められた規格をクリアしています。市内の環境部が所有するごみ収集車46台や大型自動車21台、合計67台において2025年5月から順次導入される予定です。この取り組みは、“ゼロカーボンシティとよはし”の実現に向けた第一歩と位置付けられています。
豊橋市では、2024年10月から今年の4月末までの期間にごみ収集車や大型自動車に対してB5軽油の試験導入を行い、その結果、車両に不具合は生じず、供給体制にも問題がなかったため、全面的な導入が決まりました。これに伴い、B5軽油の供給は地域のサーラエナジー株式会社が担当し、同社は豊橋市との包括連携協定に基づき、2050年までに二酸化炭素(CO2)を実質ゼロにする取り組みを進めています。
バイオディーゼル燃料は、植物由来のエコフレンドリーな燃料であり、燃焼しても大気中のCO2を増加させないカーボンニュートラルな特性を持っています。豊橋市内で回収された使用済みの食用油や、飲食店からの廃食用油を元に、サーラエナジーがバイオディーゼルを精製し、B5軽油として再利用されます。これにより、地域内で流通するリサイクルと地産地消の仕組みが強化され、持続可能な資源の有効活用が進むこととなります。
さらに、B5軽油を導入することにより、豊橋市は年間235.5キロリットルのバイオディーゼル燃料を使用し、年間30トンのCO2削減が見込まれています。長坂尚登市長は「資源の地産地消、有効活用を積極的に推進します」と述べ、サーラエナジーの北川哲哉東三河支社長も「B5軽油は環境にやさしい燃料であり、地域での利用を推進してカーボンニュートラルに貢献したい」とコメントしました。
このように、愛知県豊橋市のB5軽油導入は地域の環境意識を高め、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップです。地域市民の理解を得ながら、循環型社会の構築を進めていくことが期待され、豊橋市の取り組みが他の自治体への模範となることが望まれます。