AI技術を活用した新しいにおい判定アプリが登場！セミナー開催で実演公開

AIを駆使した新たなにおい識別技術

株式会社AIST Solutionsは、におい判定アプリを活用したセミナーを開催します。このアプリは、半導体式ガスセンサと機械学習を組み合わせることで、リアルタイムににおいを判定することが可能です。また、プログラミングの知識がない方でも使えるように設計されています。

セミナーの目的と内容

このセミナーは、においの識別に悩みを持つ技術者や研究者に向けて行われます。「においセンサキット」を使って取得したデータを、におい判定アプリで解析するプロセスを実演します。参加者は、以下の内容を体験できます。

- ハードウェアの理解：市販のセンサキットの構成を学びます。
- ソフトウェアの実演：におい判定アプリを使用してにおいデータの学習と判定の実演を行います。
- 応用例紹介：食品や化粧品などの判定デモンストレーションが披露されます。
- 研究連携の紹介：産業技術総合研究所との共同研究や開発協力の可能性についても説明があります。

これにより、参加者は「におい解析」の基礎から応用までを包括的に学ぶことができます。

アプリの技術概要

このにおい判定アプリは、データロガーから出力されるセンサ素子の抵抗値を使用して、機械学習の入力変数として処理します。具体的には、抵抗値の比（Ra/Rg）を用いて環境変化に強いにおい判定を行います。

学習プロセスでは、時系列データを教師データとして自動的に抽出し、標準化を行った後に人工ニューラルネットワーク（ANN）モデルで学習します。各層は、入力層から中間層（ReLU活性化関数・2層・各64ノード）を経て、最終的に出力層（Softmax）に至ります。この構造により、様々なにおいを高精度で判定することができます。

開発の背景と今後の展望

においの識別は、従来、嗅覚検査員や官能評価によるものでしたが、客観的データ化の必要性が高まりつつあります。このニーズに応えるため、AIST Solutionsは市販センサと安価なデータロガーを組み合わせ、手軽に「におい解析実験」が行えるプラットフォームを構築しました。

セミナーでは、参加者が実際にこのアプリを使ってにおい識別を体験できる他、産業技術総合研究所との共同研究の可能性も探ります。今後は、新しいガスセンサ素子や特定用途に特化したモデルの開発が進められる予定です。この取り組みを通じて、においのデータ化を行い、感覚評価を科学的に扱うことで新たな産業基盤を築くことが目指されています。