五島アサミが個展を国立新美術館で開催
テキスタイル作家であり日本画家でもある五島アサミの新作展が、2025年8月7日から17日まで、東京の国立新美術館で開催される。これは「第26回 日本・フランス現代美術世界展2025 ~サロン・ドトーヌ特別協賛~」の一環として行われる特別企画「エスパス・プリヴェ(個展セクション)」であり、五島の独自の技法「幾何学刺繍+墨アート」による作品が展示される。
新たな表現技法
本展では、五島が創作した「幾何学刺繍+墨アート」による新作が発表される。この技法は、抽象的な墨の表現と緻密な幾何学模様を融合させたものであり、見る者に視覚的な体験だけにとどまらず、内面的な感覚や時間の流れの気配をも伝える。五島は、作品を通じて「目に見えない現象」を可視化しようと試みている。彼女の作品は、オーガニックコットンや天然絹をはじめ、金糸や銀糸、墨、金箔を用いており、これにより作品全体に独自の素材感や美意識を生み出している。
作品の紹介
展示される作品には、《サムサラの森/太陽の暗号》や《宇宙のシズク》、《森の音》が含まれている。それぞれの作品は、布や糸、墨の重なりによって構成され、観る者に深い感動を与えることを意図している。制作技法においては、五島が日本画の伝統から影響を受けたことも強調されており、特に墨や金箔の扱いに、おのずとその痕跡が現れている。
ショーの背景と意義
近年、五島の独自技法は国内外で注目されており、彼女自身も次世代のアーティストにこの技法を広める活動を行っている。彼女は自身の芸術観を共有し、後進の育成にも力を注いでいる。展示にあたり彼女は次のように表現している。「音も言葉も存在しない“沈黙”の中に、私たちが見落としがちな深い気配が宿っています」と語り、観者に訪れる思索的な探求のプロセスを提供することを目指している。
展覧会の概要
この特別企画の詳細は以下の通り。
- - 展覧会名:第26回 日本・フランス現代美術世界展2025 ~サロン・ドトーヌ特別協賛~
- - 会期:2025年8月7日(木)~8月17日(日)
- - 会場:国立新美術館 3A・3B展示室(東京都港区六本木)
- - 協賛:欧州美術クラブ、特別協賛:サロン・ドトーヌ協会(フランス)
- - 企画:エスパス・プリヴェ(個展セクション)
五島アサミの新作展は、視覚と聴覚、そして心の深層に問いかける作品群で構成され、観る者に新たな芸術体験を提供することだろう。彼女の作品がどのように人々の心に響くのか、その目撃の機会をぜひお見逃しなく。