フロイント産業株式会社は、子ども向け医薬品の服用感を向上させる新しい添加剤「ノンパレル(R)-MM」を開発し、2025年4月からの出荷を目指しています。この新製品は、業界最小の粒子径を持つ球形の核粒子で、服用時のざらつきを軽減し、医薬品製造過程のコストダウンにも貢献することが期待されています。
新しい医薬品添加剤の特長
ノンパレルMMは、従来の製品と比べて小さく、硬度も兼ね備えた核粒子を特徴としています。小さいサイズの核粒子は、他の添加物との均一混合を容易にし、服用時の使いやすさを大幅に改善します。また、製造過程でも、ノンパレルMMは微粒子コーティングの時間を従来品の1/10に短縮できる可能性があります。この特殊な添加剤は、医薬品の服用をよりスムーズにし、患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上にも寄与することを目指しています。
開発の背景
最近、OD錠(口腔内崩壊錠)の人気が高まっています。このOD錠は、口の中ですぐに溶けるため、小さな子どもや高齢者でも薬をスムーズに服用できる利点があります。世界のOD錠市場は92億9,000万米ドルと膨大な規模を誇り、製剤の現場では、機能性微粒子を使用した新たなOD錠の開発が急務とされています。それに加え、日本国内では未承認の医薬品も多く、特に小児向けの薬は不足しており、政府はその解消に向けた取り組みを強化しています。そのため、ノンパレルMMのような新しい製剤材料に対する期待も高まっています。
フロイント産業の目的
フロイント産業は、この新しい添加剤「ノンパレルMM」を通じて、医薬品製造の省力化と効率化に貢献することを目指しています。この添加剤が放出制御製剤やOD錠、小児用製剤に広く採用されることで、患者の服用感向上に寄与し、ひいては医療全体の質の向上を図ることが期待されています。
産業発表と関連セミナー
フロイント産業は、2024年11月12日・13日、岡山コンベンションセンターにて開催される「第41回製剤と粒子設計シンポジウム」に参加する予定で、ノンパレルMMの開発についての情報を発信します。
問い合わせ先や詳細は、フロイント産業株式会社の公式ウェブサイトをご参照ください。