日米医療シンポジウムの講演レポート公開
株式会社コーチ・エィが主催した「医療現場にコーチングを導入した医師が語る 病院の人的基盤のづくりへの道のり」という日米医療シンポジウムが開催され、その講演内容のレポートが公開されました。医療現場におけるコーチングの重要性や効果、変革の事例が紹介され、多くの医療機関関係者から注目を集めています。
コーチ・エィの役割
コーチ・エィは2010年から医療従事者向けのコーチングプログラムを展開し、組織の変革を推進してきました。これにより、医療従事者のウェルビーイング(幸福感や良好な状態)を向上させる取り組みが行われています。
シンポジウムの内容
シンポジウムの第1部では、マサチューセッツ総合病院のKerri Palamara氏が「システミック・コーチング:組織はいかに個人を支援できるか」というテーマで講演しました。彼女は、従来の考え方では医療従事者は神のような存在とされ、完璧さが求められますが、近年ではバーンアウトの問題に焦点が当てられています。そこで、コーチングによるストレス軽減やレジリエンス向上が求められているのです。
医療機関内でのコーチング施策が実施される中で、Palamara氏は「MGH医師向けコーチングプログラム」を導入しました。このプログラムにより、研修医たちは仕事と生活のバランスや人間関係、自己信頼に関する対処スキルが改善され、医療現場のストレス要因が軽減されつつあると報告されています。
松山赤十字病院の取り組み
続く第2部では、松山赤十字病院の副院長竹之山光広氏が講演しました。竹之山氏は、病院でのコーチングプロジェクトがどのように展開され、スタッフ間のコミュニケーションが改善されてきたかを紹介しました。当初は医師に対する1対1のコーチングが行われていましたが、年々対象が広がり、さまざまな職種の職員がコーチングを受けるようになりました。
特に、院内文化を変えるためにはコミュニケーションの重要性が強調されました。院内でのコーチングの推進を通じて、意見交換や対話が生まれる環境が形成され、医療現場の風土が変わりつつあるというのです。これにより、職員自らが主体的に問題解決に取り組む姿勢が見られるようになった点が大きな成果です。
座談会での対話
シンポジウムの終盤には、登壇した医師たちによる座談会があり、コーチング導入における課題やその解決法について意見が交わされました。具体的には、組織内でこのような新たなアプローチを実行する際に直面する壁や、経営への影響、成功の兆しなど、医療機関へのコーチング文化の定着を促進するためのヒントが探られました。
まとめ
今回のシンポジウムを通じて、医療現場におけるコーチングの導入とその必要性が浮き彫りになりました。医療従事者が心身共に健康で働ける環境作りを目指し、今後もこうした取り組みが広がっていくことが期待されます。コーチ・エィによるこれまでの知見や経験をもとに、さらなる医療機関の変革を進めていくことが重要です。
詳細な講演レポートは、公開リンクよりダウンロードできますので、興味のある方はぜひご覧ください。