大学生メンタルヘルス
2025-05-15 14:12:20

大学生のメンタルヘルスに関する調査が示す自殺念慮の傾向

大学生のメンタルヘルス調査 自殺念慮の実態とは



近年、大学生のメンタルヘルスは重要な問題として注目されています。特に、自殺に関わる問題は深刻で、日本の大学生の自殺率は他の年代と比べて高いと言われています。そこで、岐阜大学の研究グループが行った調査結果が発表され、自殺念慮の実態を明らかにしました。

研究の目的と背景


本研究の目的は、日本人大学生における自殺念慮の強さを分析し、それとメンタルヘルスの関連を探ることでした。自殺者の数は減少しているものの、大学生の自殺率が横ばいのままだという事実は放置できません。大学生のメンタルヘルスに不調を来たす要因をより深く探ることで、効果的な自殺予防策を講じることが求められています。

調査方法と結果


研究グループは、国際基準の心理指標「CCAPS」を使用して、大学生を対象にしたメンタルヘルスの調査を実施しました。男性の自殺既遂者数が多いことが知られていますが、本調査では強い自殺念慮を抱えるのは女性が多いという逆の傾向が明らかになりました。特に、高学年の学生において、自殺念慮を強く感じている割合が増加していることも確認されました。また、自殺念慮の強い学生は、抑うつや不安、学業ストレスなどのメンタルヘルス全般に不調をきたしていることも示されました。

研究の意義


この研究の結果は、高等教育機関における自殺予防の施策に重要な示唆を与えます。特に、自殺念慮を抱える学生の声を早期に聞くことが、どのような対象や時期に自殺予防策を講じるべきかを考える上での貴重な情報となります。また、性別や学年に応じたプログラムの提供が求められています。

今後の展望


今回の研究から得られた知見は、大学生の自殺予防における新たなアプローチを促進するものです。自殺予防対策がどの年代や対象においても重要ですが、特に性別や学年に特化したアプローチが効果を果たすと考えられています。これにより、より多くの学生のメンタルヘルスが改善されることが期待されます。

まとめ


大学生のメンタルヘルスに関する調査結果は、自殺念慮についての新たな知見を提供しました。特に、女性の学生において自殺念慮が強いという点や、高学年の生徒で多く見られる傾向が明らかになったことは、今後の自殺予防策において重要な情報です。この研究が、高等教育機関での体系的な自殺予防に向けた一歩となることを願っています。

論文情報


  • - 雑誌名:Cogent Psychology
  • - 論文タイトル:Trends and characteristics of suicidal ideation among university students in Japan
  • - 著者:Ryo Horita, Angelica Silvestre, Taku Fukao, Nanako Imamura, Satoko Tajirika, Miho Adachi, Minako Kawamoto, Mayumi Yamamoto
  • - DOIhttp://dx.doi.org/10.1080/23311908.2025.2498794


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