新時代の採用手法：筆記試験と書類選考の実態調査2025年版

パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda」は、このたび2025年度の採用に向けた筆記試験と書類選考の実態について詳しい調査を実施しました。この調査では、2,000人の採用担当者から得た知見を基に、現代の企業がどのように人材を選別しているのかを浮き彫りにしています。

筆記試験の現状

調査によると、筆記試験を実施している企業は全体の45.1％に上ります。一方で、52.1％の企業は筆記試験を行っていないという結果が明らかになりました。これにより、過半数の企業が依然として他の手法に重点を置いていることが伺えます。

筆記試験の内容については、最も多くの企業が「適性検査」に重きを置いており、その割合は57.5％。特に技術系職種では69.6％の企業が適性検査を導入しているとのことです。また、一般常識試験は50.9％に達し、主に事務職やアシスタント職で57.4％が実施するなど、職種によってもさまざまです。

職種別の実施状況

職種ごとに見てみると、総じて「適性検査」が重視されており、文系職種よりも理系職種でその傾向が顕著です。例えば、医療、化学、食品、化粧品といった技術系職種では筆記試験の導入率が飛躍的に高く、企業側が求める技術的スキルを重視していることが分かります。

書類選考の実態

次に、書類選考の実態にも焦点を当てます。採用担当者に履歴書や職務経歴書を確認する時間について尋ねたところ、「5分以上10分未満」が最も多く、履歴書で32.0％、職務経歴書で32.2％となっています。これは、多くの担当者が応募書類を一定の時間をかけて精査していることを示しています。

特に、職務経歴書においては43.4％が「職務歴・職務内容」を最重要視し、履歴書でも同様に48.6％が「職歴」を重視しています。つまり、応募者の過去の経験やスキルが、選考の際に最も評価されるポイントであることが浮き彫りになりました。

選考時間と重視項目

履歴書や職務経歴書をさらっと確認する担当者もいる中、じっくりと見極めている企業が多いという結果に。特に職歴は、幅広い職種で重視されており、企業が求める即戦力としての能力を見極める重要な指標であるでしょう。

結論

調査の結果から、企業は依然として従来型の選考方法に依存しつつありますが、その中でもデータに基づいた検証が進んでいることが見受けられます。今後、企業はさらに多様な採用戦略を模索し、人材選びの新たな手法を取り入れる必要があるでしょう。転職市場が刻々と変化する中で、求職者もまた自らの魅力をどう発信するかが、今後のキャリア形成において重要な鍵となります。

この調査結果をもとに、企業と求職者がそれぞれの立場で最適な選択を行えることを願っています。