2025年度の新入社員に対する初任給の使い方に関する調査が行われ、その結果が注目を集めています。株式会社ジェイックが行ったこの調査では、662名の新入社員を対象に、彼らが初任給を手にした際の使い道について尋ねました。その結果、生活費以外で最も多くの回答が寄せられたのが、「親や家族へのプレゼント」という項目で、なんと71.8%がこれに該当するという結果が出ました。この調査は3年連続で実施されており、一貫して家族への感謝を示す傾向があることが裏付けられています。
具体的な初任給の使い先としては、趣味や貯蓄、自分へのプレゼント、飲食費や交際費が続き、さらに新NISAのような投資や自己投資への支出も一定数見られましたが、家族への感謝が最優先であることは、特に若者にとって大切な価値観を反映していると言えます。
また、親や家族へのプレゼントとして希望されるアイテムの1位は「レストランなどでの食事」で、29.9%の新入社員がこの選択をしました。これは、単に物を贈るだけでなく、時間を共有することが重要視されていることを示しています。その他にも、「食品やお酒」や「旅行」が上位にランクインしており、家族とのコミュニケーションを重視したプレゼントが好まれていることが分かります。
この傾向について、株式会社ジェイックの取締役・近藤浩充氏は、「新入社員が社会人としての第一歩を踏み出すとき、何よりも大切なのは身近な家族への感謝の気持ちである」とも述べており、これが彼らの教育研修や今後の社会的な関わりにどのような影響を及ぼすのか、非常に興味深いです。
親や保護者は、学生や新入社員がキャリアについて考える際に欠かせない存在であり、株式会社ベネッセi-キャリアの調査でも、就職活動において相談する人の1位が「親」であることが明らかになっています。企業側も、学生や新入社員だけでなく、その親・保護者に対しても信頼感を築くことがますます重要となります。このような背景を考慮し、内定通知に保護者向けの手紙を添付したり、内定式や入社式に保護者を招待することは、企業と家庭との距離を縮める良いコミュニケーション手段となります。
この調査結果は、今後の企業の採用や教育研修のあり方に一石を投じるものであり、特に新入社員にとって家族の存在が大きな影響を持っていることを示しています。今後もこのようなトレンドがどのように変化していくのか、多くの企業が注視する必要があるでしょう。