デジタルペンがラグビー選手の戦術理解を深める!日大教授の研究論文がJournal of Digital Lifeに掲載
近年、ICT技術のスポーツ指導への活用が注目されていますが、その効果についてはまだ多くの謎が残されています。この度、日本大学の北村勝朗教授らの研究チームが、デジタルペンを用いたラグビー戦術指導に関する興味深い研究成果を発表しました。この研究論文は、日本発の国際学術論文ジャーナル『Journal of Digital Life』に掲載されています。
選手の戦術理解を深めるデジタルペンの効果
北村教授らの研究チームは、高校ラグビー部員を対象に、音声と筆跡を同時に記録できるデジタルペンの活用が、選手の戦術理解にどのような影響を与えるかを実証実験によって検証しました。その結果、デジタルペンの使用によって、選手たちは自身の練習体験をより深く分析し、戦術を多角的に理解できるようになったことが明らかになりました。
「メタ視点」獲得による戦術理解の向上
特に注目すべき点は、デジタルペンの活用によって「メタ視点」が形成されることです。メタ視点とは、自分自身やチーム全体の動きを客観的に観察し、分析する能力のことです。デジタルペンによって記録された音声と筆跡を振り返ることで、選手たちは自身のプレーだけでなく、チーム全体の動きを俯瞰的に捉え、戦術の理解を深めることができたのです。
練習の質向上と学習方略の転換
この研究では、デジタルペンの活用によって、以下の4つの要素が向上したことが示されました。
1. 戦術理解の困難さの自覚
2. 体験的事実の探求
3. 考えをめぐらす
4. 実践への落とし込み
これらの向上は、練習の質の向上、選手の学習意欲の向上、そして知識の活性化に繋がることが示唆されています。
今後の展望
北村教授らの研究チームは、今後、ラグビー以外の種目への応用可能性や、戦術以外の分野への応用可能性についてさらに研究を進めていくとしています。この研究は、デジタル技術を活用したスポーツ指導の新たな可能性を示すものであり、今後のスポーツ界の発展に大きく貢献することが期待されます。
Journal of Digital Lifeについて
『Journal of Digital Life』は、デジタル分野に関する論文を世界に向けて発信する日本発のオンラインジャーナルです。研究者と学際的研究によって証明されたエビデンスを根拠としたサービスや産業の発展促進を目指して、2021年9月1日に創刊されました。
まとめ
本研究は、デジタルペンというシンプルなツールが、スポーツ選手の戦術理解を深め、練習の質を向上させる上で大きな役割を果たす可能性を示しました。この研究成果は、今後のスポーツ指導のあり方を変える可能性を秘めており、今後の発展に期待が高まります。