はじめに
近年、AI技術の普及が加速し、多くの業界においてその活用が進んでいます。特に会計事務所においても、AIを活用したサービスが増えています。この文脈で、TKC全国会はAIサービスの利用に関する基本方針を策定し、会員に対して必要な対応策を示しました。
TKC全国会の概要
TKC全国会は、約11,600名の税理士と公認会計士からなる団体で、税務の正義と関与先企業の繁栄の実現に貢献することを目的としています。今回の基本方針の制定は、AI技術の進化に対応するため、また業務の効率化と品質向上を図るための重要なステップです。
基本方針の内容
新たに制定されたAI活用に関する基本方針の主な内容は以下のとおりです。
1.
業務効率化・品質向上:AIサービスを積極的に導入し、業務効率を向上させることが基本的なスタンスとなります。
2.
法令遵守の優先:AIサービスの活用にあたっては、「税理士法」及び「個人情報保護法」に基づく法令遵守が最優先とされています。
3.
出力結果の確認:AIが生成した結果は必ず正確性を確認し、最終判断は必ず税理士が行わなければなりません。これは、法律上のリスクを回避するための重要なポイントです。
4.
「見える化」の重要性:AIの利用状況を管理し、透明性を持たせることで、利用者に安心感を提供することが求められます。
AIサービス利用時の必須対応事項
過去の規制を考慮し、以下のような必須対応事項が設けられました。これにより、税理士事務所はAIサービスを利用する際の具体的な手続きを明確にし、安心して業務を行うことができるようにします。
1.
同意の取得:関与先のデータをAIに入力する前に、必ず事前に同意書を取得します。この規定は個人情報保護法に基づくもので、従うことが求められます。
2.
利用目的の通知:同意書の取得が難しい場合には、AIサービスの利用目的を通知する文書を使用して、関与先に告知を行う必要があります。
3.
個人情報保護方針の改定:AIサービスの利用を加味した形で、個人情報保護方針を改定することが要求されます。
4.
顧問契約書の見直し:顧問契約書にもAIサービスに関する事項を明記し、透明性を確保することが重要です。
法律的リスクの理解と対策
税理士業務においては、AIの使用に関する法律的なリスクが潜んでいます。税理士法及び個人情報保護法に対する理解と、適切な対策が求められます。たとえば、税理士が関与先の情報をAIに入力することによって守秘義務に違反するリスクがあるため、慎重な行動が必要です。
結論
AI技術は今後さらに進化が期待され、会計業界にも多くの可能性をもたらすでしょう。しかし、AIサービスを利用するにあたっては、法令遵守と顧客情報の保護が欠かせない条件です。TKC全国会が示した基本方針は、これらのリスクに対処しつつ、業務の効率化を図るための重要な指針となるでしょう。今後、各事務所がこの方針をどのように具体化していくのかが注目されます。