ヤングケアラー支援が本格始動
2025年8月28日、株式会社チャーム・ケア・コーポレーションと兵庫県が連携協定を結び、ヤングケアラーや若者ケアラーの支援事業が始まりました。若年層のケアラー支援は急務であり、今後の社会においても非常に重要な課題となっています。
ヤングケアラーとは
「ヤングケアラー」とは、日常的に家族の介護を行う子どもや若者を指します。この支援の対象は、18歳未満の子どもと、18歳から30歳くらいまでの若者です。家庭環境のデリケートな問題が関与するため、支援が必要とされながらも、その存在はしばしば見えにくいものとなっています。
兵庫県は2022年から「兵庫県ヤングケアラー・若者ケアラー相談窓口」を設置し、精神的な負担軽減や、必要な支援機関へのつながりを図るための業務を行っています。今回の協定により、さらに協力体制を強化していく方針です。
事業連携協定の内容
この連携協定は、以下の内容に基づいて進められます。
1. 介護事業者としての特性を活かした支援
2. その他、目的達成のために必要な支援
具体的な支援内容は以下の通りです。
1. レスパイト「息抜き」支援
介護を行うケアラーが一時的に休息を取れる施設提供です。対象者としては、兵庫県からの紹介で、18歳から30代のケアラーを考えています。20か所の老人ホームにて、日帰りから2泊3日の利用が無料で提供される他、被介護者の受け入れも可能です。
2. 就労訓練「中間的就労」支援
兵庫県からの紹介を受けた16歳から30代の現・元ケアラーを対象にしたアルバイト機会が提供されます。労働時間や内容は家庭環境に応じて柔軟に対応し、心的ストレスを軽減するための配慮がなされます。
3. 奨学金支援
大学3、4年生を対象に、企業が奨学金の返還を代理で行う制度です。入社を条件として、月々の奨学金返還をサポートします。
4. 体験活動支援「こどもgaカフェ」
家庭環境が厳しく、社会的に孤立しがちな子どもたちに、居場所を提供する活動です。小中学生とその家族が参加し、交流の場として機能することを目指します。
代表者のコメント
株式会社チャーム・ケア・コーポレーションの代表取締役会長 兼 CEO、下村隆彦氏は、「ヤングケアラーへの支援は、当社の社会的責任である」と述べ、連携への期待を語っています。一方、兵庫県福祉部の岡田英樹部長は、連携協定を基にケアを担う子どもや若者を支える社会づくりを進める意向を示しています。
これらの取り組みを通じて、少しでも多くの若者が支援を受けられるよう進めていくことが求められています。介護に関わる子どもや若者が、孤立することなく、豊かに成長できる社会を目指して、今後の取り組みに注目が集まります。
概要