企業のSDGs評価が明らかに!
株式会社Sincが発表した2024年度の「Japan Sustainable Brands Index(JSBI)」により、企業のSDGsに対する評価が新たに示されています。この調査は、生活者が企業の持続可能な取り組みについてどのように評価しているかを可視化するものであり、今回で5回目の発表となります。
調査概要
調査は2024年11月18日から12月10日の間、全国の18歳から79歳の男女を対象に行われ、312社の企業を調査し総サンプル数は15,600件に達しました。評価は「SDGs貢献イメージ得点」と「SDGs評価得点」の2つのスコアに基づいて順位付けされました。
良品計画が3年連続の首位
今回のランキングでは、『良品計画』が3年連続で1位を獲得しました。生活者から持続可能なブランドとしての強いイメージが着実に浸透していることが表れています。対照的に、昨年度8位だった『王子ネピア』が大幅に順位を上昇させ、2位にランクインしました。このことは、彼らの持続可能な取り組みが評価された結果と言えるでしょう。
また、3位には『クボタ』が選ばれ、農業や水資源管理における持続可能な取り組みが高く評価されました。大手企業の中ではイオンやトヨタ、スターバックスなどが引き続き高評価を維持しています。
SDGsに対する意識の変化
興味深いのは、調査対象者のSDGsに対する認知度が9割近くに達している一方で、「企業が取り組むべきSDGsの重要度」が低下していることです。この現象は「SDGs疲れ」とも呼ばれ、多くの人々がこれまでの情報過多や企業の取り組みに対する懐疑的な態度を持つようになったことを示唆しています。
具体的には、生活者のうち91.6%が「サステナブルな行動を心がけている」と答えているものの、「常に取り組んでいる」との回答は減少傾向にあります。このことは、実際の行動と意識との間に大きなギャップが存在することを物語っています。
業界の明暗
業界別に見ると、「食品」および「化粧品・トイレタリー」分野は高い評価を得ているのに対し、「金融・保険」「放送・エンターテインメント」分野は評価が低迷しています。食品業界は持続可能な商品開発が進んでいる一方、金融業界ではサステナビリティと事業の関係が曖昧であるとの声が多く響いています。
また今回の調査では、SDGs評価得点が下がっている企業も見られ、この変化は生活者の企業への期待が高まる中で、見合った実行を求めていることが背景にあると言えそうです。
企業不祥事と審査の新たな視点
今年度の調査では、企業が不祥事を起こした際の生活者の反応も測定され、製品品質の欠陥や個人情報漏洩よりも社会的責任に対する反応が強いことがわかりました。これにより、企業の透明性や信頼性がいかに重要視されているかが浮かび上がります。
まとめ
JSBI2024の結果は、企業が持続可能な社会の実現にどのように寄与しているかを理解するための重要な指標です。企業は生活者の期待に応え、さらなる取り組みを進めることで、評価が向上する機会を得ることができます。引き続き、生活者の意識変化を注視しながら、持続可能な発展を図っていくことが求められています。