東京大学との共同研究で明らかになった認知機能とメンタルヘルスの関連性
近年、メンタルヘルスへの関心が高まる中、株式会社トータルブレインケアと東京大学デジタルメンタルヘルス講座との共同研究が注目を浴びています。この取り組みは、認知機能の促進が職場のメンタルヘルスおよび業務効率にどのように関連しているかを探るものです。
研究概要
この共同研究では、トータルブレインケアが提供する認知機能チェックツール『脳体力トレーナーCogEvo(コグエボ)』が使用されました。対象は株式会社日本旅行の社員約2,000名。このデジタルツールを介して得られたデータをもとに、従業員のメンタルヘルス状態と仕事の効率との相関を分析しました。
主な成果
研究の結果、CogEvoを用いた14種類のタスクにおいて、視覚探索(注意力)、ルート99(計画力)、視点(空間認識力)の3項目が、メンタルヘルス(抑うつ・不安・疲労・睡眠の合計得点)、仕事の効率(自己評定によるスコア)、ワーク・エンゲイジメントに関連することが判明しました。それにより、特定の認知機能がメンタルヘルスや業務効率を向上させる要因であると考えられます。これらの認知機能を自己チェックし、トレーニングにより向上させることがメンタルヘルスの改善に寄与する可能性があることが示されました。
社会実装への取り組み
現在、この研究の成果は専門学会での発表が予定されており、さらに社会実装に向けてCogEvoを活用したメンタルヘルス支援システムのプロトタイプ開発も進んでいます。トータルブレインケアは、これまでの研究成果をもとに、メンタルヘルスに関心を持つ企業と連携してソリューションを展開する予定です。
健康経営の重要性
国の施策「健康経営」が推進される中、企業は従業員のメンタルおよびフィジカルヘルスに注力することが求められています。人材不足や職場の高齢化が進んでいる現状では、心と体の健康を両立させる環境づくりが不可欠です。これにより、企業の持続可能性だけでなく、社会全体が求める健康的な働き方の実現が期待されています。
『脳体力トレーナーCogEvo』について
『脳体力トレーナーCogEvo』は、ゲーム感覚で楽しみながら認知機能を測定できるツールで、14種類のゲームを通じて5つの認知機能を評価します。その特長としては、作業時間の測定を行い、微細な変化にも気づくことが可能です。また、医療機関や介護施設での導入も進んでおり、幅広い場面で利用されています。
トータルブレインケアのビジョン
株式会社トータルブレインケアは、「認知機能の見える化」を通じて、個人の健康を向上させるだけでなく、産業の健康経営やスポーツ分野にも貢献することを目指しています。自身の健康に積極的に関わり、より良い働き方を推進することで、多くの人々が生涯にわたって元気に活動できる社会を築くことが目指されています。
まとめ
この研究の成果は、今後の健康経営やメンタルヘルス支援において非常に重要な意義を持ちます。CogEvoが示す成果を最大限に活かし、多くの企業と連携することで、より健全な職場環境の実現を目指すトータルブレインケアの今後に期待が寄せられます。