イーグロースが深層学習を活用した3D医用画像解析ツール「Growth RTV」を発売

イーグロース株式会社の新たな挑戦

イーグロース株式会社が発表した「Growth RTV」は、最先端の深層学習技術を駆使した3次元医用画像と放射線治療計画画像の解析ツールです。このツールは、自社で開発した放射線治療画像解析フレームワークを基礎にしており、医療現場での臓器抽出作業をさらに簡便に、高精度に行えることが特徴です。

深層学習による臓器の自動抽出

「Growth RTV」は、放射線治療計画のデータ形式であるDICOM RTから臓器の領域を三次元で再構成・抽出します。これにより、医療従事者はワンクリックで胸部や腹部のCT画像から、体表、肺、肝臓、腎臓、脊柱管などの重要な臓器を高精度に抽出できるようになりました。今後は、他の部位に関しても順次モデルの追加が予定されています。

幅広いエクスポート機能

抽出済みの臓器はSTL、PLY、DICOM RT Structure Setといった形式でエクスポート可能で、これにより3Dプリンターでの立体造形や、他社製ソフトウェアとの連携が実現します。この機能は、iVAS®の肺機能評価や無償版のGrowth RTV Eduでも利用できるため、研究や教育の場でも広く活用されています。

基本表示機能の充実

「Growth RTV」は、DICOMフォーマットの放射線画像だけでなく、DICOM RTフォーマットにも対応しており、2Dおよび3Dの輪郭表示、照射野表示、線量分布表示などの基本機能が充実しています。これにより、医療現場での直感的な操作が可能となります。

カスタマイズ可能な学習モデル

深層学習モデルの追加学習も可能で、特定の医療・研究施設の画像データを活用して領域抽出のカスタマイズが行えます。これにより、今までには表現できなかった複雑なケースにも柔軟に対応できます。

セキュリティ機能の強化

製品の価格とライセンス

「Growth RTV」の標準価格は税抜きで450,000円ですが、早期購入者には特別割引が適用され、350,000円での提供も行われています。このツールは医療機器として認定されていないため、診断や治療には使用できない点に注意が必要です。

研究機関向けの無償ライセンス

また、研究・教育機関向けには無償のアカデミックライセンス「Growth RTV Edu」が提供されています。この製品は機能に制限がありますが、基本表示機能はすべて揃っており、教育や研究の場での利用に適しています。Intel HD Graphics上で動作するため、様々な端末で利用可能です。

共同研究とパートナーシップ

イーグロース株式会社は、すでに複数の医療機関や大学で「Growth RTV」に基づく共同研究を行っており、今後もさらなるパートナーシップを募集中です。技術の向上と医療現場の課題解決に向けて、積極的に取り組んでいます。

「Growth RTV」は、医療画像処理の未来を切り開く製品として、多くの期待を寄せられています。今後の発展に目が離せません。