大規模修繕の実態
2025-01-30 10:40:27

大規模修繕に関する新たな調査結果。発注の実態と懸念が浮き彫りに

大規模修繕における発注実態と懸念



株式会社スマート修繕が実施した調査によると、大規模修繕工事において、約4割の物件で市場価格の比較が行われずに発注されている実態が明らかになりました。本社は東京都港区に位置するこの企業は、マンションやビルの大型建物を対象とした修繕工事の見積もりや工事支援サービスを展開しています。

調査の概要


調査は2025年1月に行われ、有効回答者は771名でした。その中で、341名が大規模修繕の経験を持つ管理組合理事や修繕委員としての立場での意見を提供しました。調査内容は、工事会社の選定方法、見積もりの適正判断、市場価格の比較、その結果としての借入実施状況など多岐にわたるものです。

工事会社の選定


調査結果によると、工事会社の募集に関しては約6割が管理会社の推薦によって行われ、特にマンション管理組合からの自発的な推薦は少ないことがわかりました。おすすめする立場の管理会社が主導することで、多くの建物で他人任せの工事が進行しているという懸念が浮き彫りになっています。理事会や修繕委員会という自主的な組織が関与する割合であってさえも、約80%を占めるのは管理組合自身が関与する割合が小さいことを示しています。

相見積もりと価格判断の問題


工事会社の相見積もりでは、最も多いのが3社であることが明らかになりましたが、注目すべきは1社からのみ見積もりを取り、相対評価を行わない実態です。このため、特定の業者に発注が集中し、価格適正性の判断が難しい状況が生まれています。さらに、適正性の判断基準が曖昧であることが指摘され、セカンドオピニオンを用いた価格査定などの手法も5%にとどまりました。

借入実施の実態


驚くべきことに、大規模修繕オーダーのうち約10棟に1棟は借り入れを行っているという結果が出ており、このことは工事費の高騰と併せて、さらに増加傾向にある可能性を示唆しています。また、多くの場合、必要な工事の実行を削減し、経済的な負担を軽減する決定がなされていることも否定できません。特に、必要な工事を削減することは、長期的な視点でみれば建物の品質を損なう可能性があります。

まとめと今後の展望


今回の調査結果は、マンションなどの大型建物修繕における執行スキームの改善が喫急の課題であることを示しています。工事プロセスの透明性や再評価の重要性は今後ますます高まるでしょう。マンション管理組合が主体的に関与し、時には独立した専門家の意見を活用することが必要不可欠です。スマート修繕は、こうした取り組みを通して、負担なく専門家の意見を取り入れられる環境を提供することを目指しています。今後の後編では、理事や修繕委員の実施後の課題も交えた内容が配信される予定です。これらの情報が、管理組合の方々にとっての意思決定に寄与することを期待してやみません。


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会社情報

会社名
株式会社スマート修繕
住所
東京都港区赤坂5-2-33 IsaI AkasakA 510号室
電話番号
03-4566-3013

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