雉琴神社の御神木が蘇る音楽祭
2025年11月29日、福岡市のアクロス福岡シンフォニーホールにて、特別な音楽イベントが開催されます。これは、長年地域に根ざしていた雉琴神社の御神木(欅)が、和胡という新しい楽器に生まれ変わる瞬間を迎えます。
御神木「欅」の運命
雉琴神社の御神木である欅は、2020年の台風によって倒壊してしまいました。しかし、その木の命を無駄にすることなく、新たな生命を与えようとする試みが始まりました。和胡奏者であり作曲家の里地帰氏は、「命を終えた木にもう一度息を吹き込みたい」という強い志から、倒れた木を素材にした特別な和胡の制作を決意しました。
和胡は、中国の二胡を基にしながらも、和紙や国産木材などの日本の伝統的な素材を用いて開発された楽器で、日本人の心に響く音を追求しています。このプロジェクトは、単なる楽器製作にとどまらず、地域の文化や信仰と現代音楽を融合させる新たな挑戦でもあります。さらに、環境問題が叫ばれる現代において、倒木を再利用するサステナブルな取り組みとしての意味合いも持っています。
文化と音楽の新しい融合
11月29日に開催される記念コンサートでは、里地帰氏による新曲《暁ノ雉》が世界初演されることが決定しています。この楽曲は、雉琴神社の由緒や祭神・日本武尊をテーマにし、夜明けを告げる雉をイメージした壮大な音楽作品です。
和胡は、2015年に誕生し、この10年間で多くの人々に愛されてきました。今回の公演は、伝統的な日本音楽とクラシック音楽をも融合させ、「和の響き」の新たな可能性を提示する機会となります。公演にあたっては、雉琴神社の宮司も招かれ、芸術と信仰が交わる象徴的な瞬間が演出されることが期待されています。
子供たちの未来を考えた取り組み
特筆すべきは、この公演が文化庁の「子供舞台芸術鑑賞体験支援事業」に採択されている点です。6歳から18歳までの子供は無料で入場でき、保護者も半額で鑑賞できる特典があります。この取り組みは、次世代に日本の文化や伝統楽器の魅力を伝え、芸術体験を広げる重要な機会となります。
公演の主催者は、「地域の木、地域の神社、地域の音楽家が結集し、福岡発の新しい文化として国内外に発信していきたい」と意気込みを語っており、今後の海外公演の計画もあるとのことです。2027年には、ニューヨークのカーネギーホールでの公演も視野に入れています。
公演の詳細情報
- - 公演名:里地帰 和胡創生十周年記念コンサート - ACROSS THE HISTORY -
- - 日時:2025年11月29日(土) 13:00開場/14:00開演
- - 会場:アクロス福岡シンフォニーホール
- - チケット:A席4,000円(SS・S席は完売)、18歳以下無料、保護者半額
- - アクセス:地下鉄空港線「天神」駅から徒歩約5分
- - 主催:株式会社ニコロ
- - 公演情報URL:https://satochiki.jp/concert202508092253.html
この特別なコンサートは、ただの音楽イベントではなく、地域の文化と歴史を再発見し、また新しい形で未来を紡いでいく重要な瞬間になることでしょう。