北海道上川町でAIを活用した自治体DX推進:住民利便性向上に向けた実証実験
北海道上川町では、総務省の令和5年度自治体フロントヤード改革モデルプロジェクトの一環として、AI技術を活用した実証実験が開始されました。このプロジェクトは、AWL株式会社とデジタルレシピという2社の連携によって実現しました。
プロジェクトの目的
本プロジェクトの主要な目的は、上川町の住民利便性の向上と行政業務の効率化です。少子高齢化や人口減少が進む地方自治体において、デジタル技術を活用した革新的な行政サービスの提供は喫緊の課題となっています。この実証実験を通じて、小規模自治体におけるAI技術の有効性を検証し、全国への横展開を目指します。
AWL株式会社とデジタルレシピの役割
AWL株式会社は、画像認識技術を強みとする北大発のスタートアップ企業です。今回のプロジェクトでは、独自のマルチカメラトラッキングシステムを導入。プライバシーに配慮しながら、来庁者の行動を分析し、庁舎内の動線改善や、より効率的な窓口配置などに役立てます。エッジAIを活用することで、リアルタイムなデータ解析を実現し、迅速な対応が可能になります。
デジタルレシピは、生成AIを活用したサービス開発やコンサルティングを行う企業です。窓口業務のAI対応によるオムニチャンネル化や、オンライン申請システムの構築などを支援。住民にとってより使いやすく、アクセスしやすい行政サービスの提供を目指します。
実証実験の内容
具体的な取り組みとしては、以下の内容が挙げられます。
窓口業務のAI対応によるオムニチャンネル化: AIを活用したチャットボットや音声認識システムの導入により、窓口業務の効率化と住民の利便性向上を図ります。
オンライン申請と窓口の統合: オンラインと窓口の両方をスムーズに利用できるシステムを構築することで、住民の選択肢を広げます。
AI映像解析技術を用いた施設状況の可視化: 庁舎内の混雑状況などをリアルタイムに把握し、適切な人員配置やサービス提供につなげます。
パイロットオフィススペースの設置: 新しい働き方や住民との協働を促進するためのスペースを設置し、行政サービスの質の向上を図ります。
上川町の取り組み
上川町は、北海道の大雪山国立公園に位置する自然豊かな町です。人口は約3500人と小規模ながら、観光資源を活かした地域活性化に力を入れています。今回のプロジェクトは、この豊かな自然環境と先端技術を融合させ、持続可能な地域社会の実現を目指す取り組みの一つです。
まとめ
上川町におけるAI活用による自治体DX推進は、地方自治体のデジタル化における重要なモデルケースとなる可能性を秘めています。AWL株式会社とデジタルレシピの連携により、住民にとってより便利で効率的な行政サービスが実現することを期待しています。この実証実験の成果が、全国の自治体におけるデジタル化の推進に役立つことを願っています。今後の展開に注目が集まります。