老後不安とパートナーとの未来像:「いい夫婦の日」に考える老後設計とLIFULL seniorの調査結果
11月22日、いい夫婦の日に合わせ、株式会社LIFULL seniorが発表した「パートナーとの老後生活に向けた意識調査」の結果が注目を集めています。この調査は、老後におけるパートナーとの暮らし方や、介護への考え方など、高齢化社会における重要なテーマを浮き彫りにしました。
調査結果から見えてきた、老後への不安と現実
調査では、実に約6割の人がパートナーと老後について話し合ったことがあると回答。しかし、その一方で、老後における大きな不安として「健康・病気」「介護・看病」「生活資金」が上位を占めました。特に「介護・看病」については、不安を感じている人の割合は高いものの、パートナーと話し合ったことがある人は3割に満たないという現実が明らかになっています。このギャップは、老後における具体的な準備や対策の不足を示唆していると言えるでしょう。
さらに、パートナーとの老後の暮らし方については、「できるだけ二人で長く暮らしたい」と考える人が約8割を占めました。しかし、この希望の裏には、現実的な課題も潜んでいます。男女間の意識の違いも注目すべき点です。「できるだけ二人で長く暮らしたい」という希望は、男性の方が女性よりも高い傾向が見られました。一方、「別居」や「パートナー関係の解消」を希望する声は女性から多く聞かれ、その割合は約6割にも上ります。この結果からは、老後の生活設計における男女間の認識のずれや、女性が抱える負担の大きさなどが伺えます。
また、パートナーと一緒に老人ホームに入りたいかという質問に対しては、約半数が「入りたくない」と回答しました。「できるだけ二人で長く暮らしたい」という希望とは対照的な結果であり、老後の生活における居住形態についても、夫婦間で認識の相違があることがわかります。さらに、パートナーの介護が必要になった場合、6割以上の人がプロの手を借りたいと考えていることも判明しました。これは、老老介護の負担の大きさを示すものであり、介護サービスの利用を検討することが、高齢期の生活をより豊かに、そして安心して送るための重要な要素であることを示しています。
専門家の視点:LIFULL 介護編集長のコメント
LIFULL 介護編集長の小菅秀樹氏は、調査結果について次のようにコメントしています。「今回の調査では、『できるだけ長く一緒に暮らしたい』と考える方が多い一方で、介護が必要になり老人ホームへの入居を検討する段階では、『一緒に入りたくない』と回答する方も一定数見られました。」 老老介護の現状や、その中で起こりうる様々な問題点について具体的に説明し、元気なうちからの準備と、介護サービスの利用の重要性を強調しています。
まとめ:安心できる老後を送るために
LIFULL seniorの調査結果から、パートナーとの老後生活設計においては、単に「一緒に暮らしたい」という希望だけでなく、健康、介護、経済といった現実的な課題への具体的な対策が不可欠であることが示唆されました。そして、それらの課題への対策を、夫婦間で共有し、話し合うことが重要であると改めて認識させられます。
「いい夫婦の日」を機に、パートナーと老後についてじっくり話し合い、将来に備える機会として、この調査結果を役立ててみてはいかがでしょうか。
調査概要
調査主体:株式会社LIFULL senior
調査期間:2024年11月7日~11月8日
調査対象:パートナーがいると回答した40歳以上の男女920名
調査方法:インターネット調査
株式会社LIFULL seniorについて
「老後の不安をゼロにする」というビジョンを掲げ、高齢化社会の課題解決に貢献する企業として、老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」をはじめ、様々なサービスを提供しています。