アジアのデジタルネイティブ企業、クラウド選定でセキュリティを最重視する理由とは
Akamai Technologiesが発表した最新の調査結果によると、アジアのデジタルネイティブ企業(DNB)の87%がクラウドプロバイダーを選ぶ際に、コストやスケーラビリティよりもセキュリティを重視していることが明らかになりました。この調査は、DNBがテクノロジーを迅速に導入する中で直面する課題やリスクを浮き彫りにしています。
クラウド導入の現状
ここ5年間で、DNBは新しい技術に基づくビジネスモデルを積極的に採用してきました。Akamaiの調査によると、このような企業はオンラインでの業務において顧客ニーズに即座に応えるため、クラウドコンピューティングやAPIに注力しています。実際、9割のデジタルネイティブ企業が今後12か月間にさらなる効率化と生産性の向上を図るために、これらの技術に投資する予定です。
また、IDCのデータによれば、2026年までにDNBのテクノロジー投資額は最大で1289億ドルに達しており、特にクラウド関連の支出は37.3%の増加率を見込んでいます。これは、デジタル環境がますます複雑化していることを示しています。
サイバーセキュリティの課題
一方で、デジタルネイティブ企業が急激な技術導入を進めるにつれて、IT環境が複雑化し、重大なサイバーリスクにさらされやすくなるという懸念もあります。調査では、約75%のDNBが、セキュリティがクラウドインフラのパフォーマンスと機能のギャップを形成していると認識しており、予想外ののリスクに備える必要性を感じています。
Akamaiのクラウドコンピューティング担当CTO、ジェイ・ジェンキンス氏は「テクノロジーの加速により、DNBはクラウドの導入に対する脆弱性の認識を強めなければならない」と述べています。このため、DNBは安全なクラウド運用を実現するために多様な戦略を駆使しています。
APIセキュリティの重要性
調査の結果、DNBが直面するサイバーリスクの中でも特に大きな課題の一つがAPIバックドアを利用した攻撃です。91%のDNBが、クラウドプロバイダーを選定する際にはAPIのセキュリティが重要な評価基準であると認識しています。これにより、Akamaiは企業に対し、APIの脆弱性を特定し、セキュリティフレームワークを強化することを強く推奨しています。
また、ゲーム、ハイテク、動画メディア、コマースなどのセクターでは特にAPIセキュリティへのリスクが高まっているため、DNBは技術とセキュリティにおいてバランスを取ることが求められています。加えて、ASEAN地域の企業では、フィッシング攻撃のリスクが高まっており、特にモバイルデバイスやソーシャルメディアプラットフォームを経由した攻撃が増加しています。
持続可能な成長に向けた取り組み
DNBはテクノロジーの利点を活かしながら、安全な運用を実現するために、ある特定の課題に取り組む必要があります。そのためには、信頼できるクラウドプロバイダーとパートナーシップを築き、新しいセキュリティ対策を適用することが不可欠です。Akamaiは、DNBがシステムの導入と実装をスムーズに行うための新たなツールや技術を提供し、ビジネスの成長を支えていく役割を担っています。
このように、アジアのDNBには成長とセキュリティの両立が求められる時代が到来しています。各企業は、自らのビジネスモデルに適したクラウドテクノロジーとAPIサービスを活用し、持続可能な成長を図っていかなければならないのです。