北海道の萩原建設工業が「インフラDX賞」を受賞!
北海道帯広市に拠点を置く萩原建設工業株式会社は、近年の建設業界において注目すべき成果を挙げました。同社の土木部工務課係長、早川剛史氏によって執筆された論文が、一般社団法人全国土木施工管理技士会連合会(JCM)主催の「第29回土木施工管理技術論文・技術報告」において高く評価され、「インフラDX賞」を受賞したのです。この受賞は、建設業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた努力が実を結んだ結果といえます。
AIとRPAを活用した資材管理の自動化
本論文では、2024年度に行われる予定の堤防保護工事において、AI(人工知能)とRPA(業務自動化ツール)を駆使した資材管理のオートメーション化に関する取り組みが紹介されています。この工事では、約8,300個に上る根固めブロックや大型連接ブロックの資材管理業務が発生しており、従来の手作業では業務負荷が大きくなることが懸念されていました。
萩原建設工業は、国土交通省が推進する「i-Construction 2.0」に基づき、自社で独自のシステムを開発し、現場の負担軽減と生産性の向上を目指しています。
論文の重要なポイント
この論文の中で特に注目すべきは、RPAやAI技術を建設業の資材管理業務に取り入れた点です。従来の運用方法で集計を行うだけでなく、図面上に情報を反映させることで、業務フローにスムーズに組み込みました。これにより、効果的なデジタル技術の活用が実現したのです。
具体的には、従来は紙で作成していたブロック割付図や管理図に、WEBカメラを通じて得た情報がリアルタイムで反映される仕組みになっています。その結果、業務時間は約240時間から13.36時間に短縮され、28人分の人員削減につながったとのことです。また、情報の可視化により、最新データが手軽に確認できるようになり、ペーパーレス化やミスの削減といった効果も期待できます。
今後の建設業における期待
早川氏の取り組みは、建設業におけるDX推進において重要な一歩といえるでしょう。この技術は、他の現場にも応用できる可能性があり、今後ますます注目を集めることが予想されます。国土交通省技監の廣瀬昌由氏も、「現場での課題を自ら解決できたことが評価された」としています。
受賞を受け、早川氏は「建設業の実態は伝わりにくいが、その魅力を発信していきたい」とコメントし、今後の論文執筆へのモチベーションを高めています。
まとめ
萩原建設工業株式会社は、今後も社会インフラの整備や新技術の導入を通じて、地域社会に貢献していく姿勢を見せています。建設業は、ただの現場仕事ではなく、人々の暮らしを支える重要な業種であることを理解してもらうため、さらなる取り組みが求められています。今後、若い世代に「建設業がかっこいい」と思ってもらえるような魅力的な活動が期待されます。