朝のトマト効果
2015-03-09 15:00:03
朝にトマトを摂取することでリコピン吸収が向上することを確認
研究の背景
近年、栄養素の吸収における時間帯の重要性が注目されています。その一環として、日本農芸化学会2015年度大会で発表された研究があります。その内容とは、トマトに含まれる機能性成分リコピンの効率的な吸収についてです。
リコピンとは
リコピンはトマトに含まれている抗酸化成分で、健康維持に寄与することが知られています。心血管疾患やがんの予防が期待されるリコピンですが、どのように摂取するかがその効果に影響を与えることが明らかになりました。
研究の目的
本研究の主な目的は、トマトを食べる時間帯がリコピン吸収の効率に与える影響を明らかにすることです。すなわち、朝・昼・夜の時間帯でトマトを摂取した場合の違いを調査しました。
研究方法
研究はラットを用いて行われました。ラットは3つのグループに分けられ、朝トマト群、昼トマト群、夜トマト群にそれぞれの時間帯にトマトを含む飼料を与えられました。具体的には、1匹あたり6gのトマト含有飼料(トマトの凍結乾燥粉末を10%混入したもの)を、4週間にわたって与えました。
最終日には、各群のラットの血中リコピン濃度を測定し、そのデータを基にリコピンの吸収効率を評価しました。
結果
研究の結果、朝トマト群は昼・夜トマト群と比較して、血中リコピン濃度が有意に高いことが確認されました。特に摂取から3時間後の測定値でも、それが示されています。血中濃度曲線下面積(AUC)という指標を使用したところ、朝トマト群のAUCが最も大きく、これがリコピンの効率的な吸収を証明する結果となりました。
まとめ
本研究は、朝にトマトを摂取することでリコピンが速やかに体内に吸収されることを示しました。昼や夜に摂取するよりも、朝の摂取が効果的であるという結果は、今後の食生活に重要な示唆を与えてくれます。特に健康に気を使う方々は、朝食にトマトを加えることで、彼らの健康をさらにサポートできるかもしれません。今後はこの研究結果を基に、人間においても同様の現象が見られるかどうかを調査していく予定です。
会社情報
- 会社名
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カゴメ株式会社
- 住所
- 愛知県名古屋市中区錦3-14-15
- 電話番号
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052-951-3571