新たな才能が輝く!第23回『このミステリーがすごい!』大賞受賞者発表
2023年10月、株式会社宝島社が主催する第23回『このミステリーがすごい!』大賞の受賞作が発表されました。今年の栄えある大賞の栄誉に輝いたのは、現役漫画家である土屋うさぎ氏の『謎の香りはパン屋から』です。応募総数403作品の中から選ばれたこの作品は、パン屋を舞台にした日常の謎を解くミステリーで、賞金はなんと1200万円!
受賞作品の詳細
土屋うさぎ氏は、大阪府での日常を背景に、大学一年生がパン屋で繰り広げるストーリーを描いています。主人公の市倉小春は、漫画家としての夢を追いかける一方で、パン屋〈ノスティモ〉でのアルバイトもしています。物語の中心には、友情や予期せぬ行動が絡み、それが思わぬ謎へとつながっていく様子が描かれています。
作品には、軽妙な会話やテンポの良いストーリー展開があり、全体を包む空気感が読者を引き込むと評されています。文庫グランプリには、松下龍之介氏の『一次元の挿し木』と香坂鮪氏の『どうせそろそろ死ぬんだし』が選ばれ、それぞれ賞金200万円を受け取ります。これらの作品は2025年1月から書籍化される予定で、新たなミステリー作品の誕生が待ち望まれます。
受賞者のプロフィール
土屋うさぎ
土屋うさぎ氏は1998年に大阪府生まれ、東京都府中市で育ちました。大阪大学の工学部を中退し、現在は漫画アシスタントと漫画家として活動しています。彼は数々の賞にノミネートされており、今回の受賞は彼の才能がいよいよ世に知られるきっかけとなるでしょう。受賞後のコメントで、彼は小説を書くチャンスを自ら作り出したことに言及し、今後も作品を書き続けていく決意を示しました。
松下龍之介
松下氏は1991年生まれで、東京都江戸川区出身。現在は電気システム事業に従事しており、執筆は趣味の一環となっています。『一次元の挿し木』は、ヒマラヤ山中の人骨発掘を題材にした探偵小説で、登場人物の深い人間関係が謎を引き立てています。
香坂鮪
香坂鮪氏は1990年に熊本で生まれ、現在は大阪に在住しながら医療の現場で働いています。『どうせそろそろ死ぬんだし』は、余命宣告された人々を描いた独特の探偵物語です。そのユニークな設定により読者を惹きつけています。
大賞の意義と過去の受賞者
『このミステリーがすごい!』大賞は2002年に創設され、これまで多くの才能を発掘してきました。著しく成功を収めた作家たち(例:海堂尊、中山七里など)を輩出し、エンターテイメント界に新しい風を吹き込んできました。今回の受賞作も、今後のベストセラーや映画化の期待が高まります。
新たな才能を発見するためのプラットフォームとして、今後も『このミステリーがすごい!』大賞は進化し続けることでしょう。これからの展開に注目です!