津山城東リノベーション展の概要
2025年10月25日から11月9日までの間、岡山県津山市のPORT ART & DESIGN TSUYAMAで「津山城東リノベーション展」が開催されます。本展は一般社団法人日本建築設計学会によるもので、城東地区の文化と歴史を生かした新たな建築を提案することを目的としています。
昨年開催の「第10回アーキテクツ・オブ・ザ・イヤー展」から始まったこの取り組みは、地元の建築家たちの作品によって地域の可能性を探る試みです。特に、節目となる第10回ではトーマス・ダニエル教授がコミッショナーとして登場し、「UNDER RENOVATION」をテーマに9組の若手建築家による新しい形の魅力を提案しました。
これらの作品は、古い建物を改築・増築する中で生まれる新しい形状、空間、素材の融合を紹介し、津山城東地区の特性を反映しています。この地区には重要伝統的建造物が立ち並ぶ一方で、リノベーションによって新しい空間や機能が創出され、歴史と現代が共存する風景が広がっています。
展示内容
本展では、城東地区の多彩な取り組みが紹介されます。具体的には、
- - 「建築ミニチュアミュージアム」
- - 地域課題に応えた「空き家リノベーション計画」
- - 提言型の展示「城東まちづくりへの提言」
- - 「城東ゲート(空地門扉案)」
特に注目すべきは、「空き家リノベーション計画1」と「空き家リノベーション計画2」です。これらは実際に工事が進んでおり、地域の活性化を目指しています。
「空き家リノベーション計画1」では、橋本町に位置する伝統的な建物を改修し、宿泊施設「美都A&Aホテル(仮称)」として再生される予定です。このホテルには建築ミニチュアミュージアムも併設される計画があり、宿泊客は現代建築についての展示や研究に触れることができます。
一方「空き家リノベーション計画2」は、「大曲り」付近の景観を生かした、独自焙煎のコーヒー豆専門カフェとセレクトショップを併せ持つ宿泊施設「美都DISCONTホテル(仮称)」として進行中です。このプロジェクトは地域の珈琲文化と交流をテーマにし、津山独自の特色を生かした地域拠点に生まれ変わる予定です。
また、津山出身の洋学者・箕作阮甫の子孫である建築家・吉阪隆正とのつながりから、ル・コルビュジエとの関係性も重要視されています。各プロジェクトでは、ル・コルビュジエの色彩理論を取り入れ、建築の要素として色を重要視するデザインが採用されています。
最終的には、ル・コルビュジエが設計したコンクリート船「アジール・フロッタン」をも紹介し、地域の歴史と未来が交差する新たなまちづくりの視点を提示します。
展覧会詳細
- - 会期: 2025年10月25日(土)~11月9日(日)
- - 開館時間: 10:00-18:00 (入館は17:30まで)
- - 休館日: 火曜日
- - 会場: PORT ART & DESIGN TSUYAMA (〒708-0841 岡山県津山市川崎823)
- - 入場料: 無料
この展覧会に参加することで、地域の建築文化を身近に感じ、未来のまちづくりに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。