BMW 7シリーズのキドニーグリルとDURABIO
BMWの象徴的なデザイン要素であるキドニーグリルに、新たな素材が採用されました。その名は「DURABIO™」。これは、植物由来のバイオエンプラであり、BMWの7シリーズの高級感を引き立てる役割を果たしています。従来の塗装工程を省き、塗装なしでも光沢感を実現。これにより製造過程で発生する揮発性有機化合物(VOC)の削減が可能になりました。
DURABIO™の特性
DURABIO™は、再生可能な植物由来の原料「イソソルバイド」を基に製造されています。これにより、石油の消費量を抑えることができるだけでなく、製造に用いる植物が成長する過程で二酸化炭素を吸収するため、温室効果ガスの削減にも寄与します。また、耐衝撃性や耐傷付き性にも優れ、多数の業界に展開が進んでいるのも特筆すべき点です。
環境への配慮
BMWのサステナビリティ責任者であるNicole Kambeck氏は、バイオベースの素材が自動車業界で注目を集めていると述べています。特に欧州連合(EU)では、温室効果ガスの削減に向けた政策が進められており、再生可能な原料の選択が求められています。DURABIO™は、EUの「Fit for 55」政策においても重要な役割を果たすと期待されています。
これからの展開
DURABIO™は、すでにドイツの認証機関DIN CERTCO、およびオランダの認証機関NENからバイオベース製品としての認証を取得しています。これからの展開においても、DURABIO™はサステナブルな社会の実現に貢献する素材として位置づけられていくでしょう。
最後に
従来のプラスチック製品に代わる選択肢として、DURABIO™は自動車部品から光学機器、さらには日用雑貨に至るまで、その利用は多岐にわたります。このような素材の進展により、より環境に優しい製品を実現し、未来の持続可能な社会へと繋がることが期待されています。