SyntheticGestaltとEnamineがAI創薬データエコシステムの新時代を切り拓く
2026年8月7日、SyntheticGestalt株式会社とEnamine Ltd.は、AI技術を駆使した世界最大規模の創薬データエコシステムの構築に向けた協業を発表した。このプロジェクトは、薬剤開発の迅速化とコスト削減を目指し、AIの力を最大限に活用することを目的としている。
AIが創薬を変える
近年、AIは創薬プロセスにおいて重要な役割を果たすようになってきた。新たな化合物の発見や評価を行う際に、高品質なデータが求められます。しかし、十分なデータがなければAIの能力を十分に発揮させることが難しく、これが創薬の進行を遅らせる要因となっている。
そこで、Enamine社は数十億もの合成可能な化合物を集めたREAL Compoundsというデータベースを構築し、自社の高効率合成技術を用いて、AIが生成したデータを活用しています。これにより、高速かつ低コストで新薬の候補が生成できる仕組みを整えてきた。
目指すは創薬のタイムライン短縮
両社は、従来は数年かかるとされていた創薬プロセスを数ヶ月へと短縮することを目指す。特に、100種類の重要なタンパク質ターゲットに対し、AIを用いて有望なリガンド候補を選定し、検証を行うステップへ進む。
この協業は、経済産業省が推進する「GENIAC」プログラムやNEDOの戦略的支援を受けて進行する。SyntheticGestaltは、この支援を得て、実現可能な化合物のデータベースを拡充していく予定だ。
データエコシステムの展望
新たに構築されるデータエコシステムは、2027年に初めて公開される予定で、製薬業界のパートナーを通じて広く利用される見込みだ。このプラットフォームは、世界中の研究者に対して、創薬と革新を加速させるための強力なツールとなるだろう。
SyntheticGestaltのCEO、島田幸輝氏は「AIこそが新しい分子創造の主要な推進力になる」との信念のもと、壮大なプロジェクトに取り組んでいる。
産業界に与える影響
Enamine社の事業開発ディレクター、Iaroslava Kos氏は、「AIと実験科学の融合は新たなフロンティアを切り拓く」と述べ、開発が進むこのエコシステムの重要性を強調した。データエコシステムの構築は、医療や農業分野における喫緊の課題にも貢献できると期待されている。
合成能力の向上
データエコシステムにおける合成能力について、Enamine社のDmytro Radchenko氏は、「数千の新規化合物を迅速に生成することが可能」と話す。これにより、研究者は数十億の仮想化合物を物理的な分子に迅速に変換し、実験的な証明を行うことができる。
SyntheticGestaltとEnamineの協業は、AI技術を用いた創薬の未来を拓く重要なステップとなる。両社のパートナーシップは、分子産業全体に革新をもたらし、医療の発展とイノベーション促進に寄与するだろう。
SyntheticGestaltについて
SyntheticGestalt株式会社は東京に本社を持つ分子AI専門の企業で、様々な産業向けにAI技術を開発しています。これまでに多くの研究プロジェクトを立ち上げ、新薬や環境に優しい材料の発見に成功しています。
Enamineについて
Enamineは化学化合物の供給企業で、特に統合創薬に強みを持つ技術系の研究機関です。豊富なデータを活用し、新薬の開発を支援しています。