建築中の建造物をキャンバスに、心の矛盾を描く - 西川茂個展「矛と盾」
京都 蔦屋書店の6Fギャラリーでは、アーティスト西川茂の個展「矛と盾」が開催されます。本展では、西川が変化し続ける世界の中で感じた心の矛盾を留めた新作絵画14点が展示されます。
西川茂の作品は、建築中または解体中のシートに覆われた建造物を主なモチーフとしています。周囲の風景を塗りつぶしたり、色面で覆ったりすることで、建造物を覆うシートを大胆な筆致と絵の具の物質感をもって描いています。
日常に現れるシートに覆われた建物は、それ以前の土地の記憶を消し去り、新たな風景を作り出します。同時に、当たり前の日常が曖昧な記憶の積み重ねであり、すべてのものが変化の流れの中にあることを気づかせます。
西川にとって、変化し続ける都市の姿は、制御しがたい自然の力と人との付き合い方やせめぎあいを描く象徴的な題材です。創造と解体は、生と死でもあり、シートに覆われた建造物を描くことで、万物の流転を表現しようとしています。
本展では、京都の歴史的建築や田園風景に紛れ込むメガソーラーの姿など、変わりゆく世界に対峙する西川の視点を感じることができます。
西川茂が語る、絵画と心の調和
西川は自身の作品について、「自己を取り巻く環境と精神の調和を作り出す行為であり、絵の具によって画面に定着された静謐な世界」と語ります。
彼は、現代の日本における都市の拡張と、それに伴う風景の変化に注目し、その中で生まれる心の矛盾を作品に投影しています。
「果てのない変化の中で画面にとどめられた世界が、私にとって精神と環境との調和であり、調和とは変化を受け入れ拒絶する矛盾をそのままに留めることです。」
西川は、絵画を通して、変化を受け入れることと、それを拒絶することの矛盾した世界の在り方を表現し、その描かれた世界から創造的な何かが起こることを願っています。
個展情報
西川茂 個展「矛と盾」
会期:2024年11月30日(土)~12月17日(火)
時間:11:00~20:00
会場:京都 蔦屋書店 6F ギャラリー
主催:京都 蔦屋書店
協力:タグチファインアート
入場:無料
お問い合わせ:075-606-4525
特集ページ:https://store.tsite.jp/kyoto/event/t-site/43920-1302331112.html
京都 蔦屋書店について
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京都 蔦屋書店
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