ネオファースト生命の新たな試み
ネオファースト生命保険株式会社が、AI(人工知能)を駆使した給付金不正請求の検知技術を導入することを発表しました。この新しい仕組みは、2025年6月から10月にかけて段階的に実施される予定です。これは、ますます複雑化するモラルリスクに対抗し、公平な保険の利用を促進するための重要な一歩です。
モラルリスクの背景
保険を利用する際の不正申請は、生命保険業界において深刻な問題となっています。多様化する給付金の請求により、従来の方法ではリスクを正確に把握することが難しくなっています。そこで、AI技術を活用することで、不正請求の兆候を早期に発見し、業務の効率化を図ることが狙いです。
新たなAI検知システム
ネオファースト生命は、過去の支払データを元に、類似した請求をグループ化する仕組みを導入します。これにより、グループ毎の特徴を分析し、AIが自動的にリスク要素を抽出することが可能になります。また、10月に実施される新システムにおいては、より多角的な視点で不正請求を検知し、迅速かつ高精度な判断がなされるとのことです。
さらに、専門スタッフの知見を元にした過去データの学習をAIが行うことで、これまでの経験やノウハウを体系化し、高度な検知能力を実現します。これにより、従来の業務で抱えていた時間やマンパワーの課題の解消が期待されています。
内製化によるメリット
この取り組みの大きな特徴は、モラルリスク検知システムをすべて内製化する点です。これにより、実装後も現場の専門スタッフの意見が反映され、機動的な性能改善が可能となる見込みです。また、組織内での情報共有が進むことで、商品開発や申込時、支払時などの各ステージにおいて迅速かつ的確にモラルリスクに対処できる体制が整います。
第一生命が期待する成果
今回の取り組みに対し、第一生命ホールディングスのCDAOであるフィゲン・ウルゲン氏は、「ネオファースト生命は、AIを活用して膨大なデータを分析し、技術力を高める姿勢を示している」とコメントしています。AIの導入により、不正請求を迅速に検知し、高精度な判断を行うことができ、その結果、将来的なモラルリスクへの抑止力を高めることが期待されています。
未来の展望
ネオファースト生命は、第一生命グループの一員としてさらにデジタル技術を活用し、より高度な不正検知システムを構築していきます。公正で安心できる保険サービスの提供を目指して、顧客の小さな不安に寄り添う姿勢を崩さず、進化し続けるでしょう。ビジョン「生命保険から人生保険へ」に基づき、小さな人生不安にも向き合う取り組みを続けていくことが期待されています。