ポーラ化成工業の国際的な評価が高まる
ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担当するポーラ化成工業株式会社が、2024年10月14日から17日にかけてブラジル・イグアスで行われた第34回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)世界大会に参加し、注目の発表を行いました。特にその中で、B.Aリサーチセンターのセンター長である大石貴矢研究員が行った口頭発表がアプライド部門で「Top5」に選出されました。さらに、ポスター発表部門でも最優秀賞を受賞するなど、同社の成果が国際的に評価されました。
IFSCC世界大会の意義
IFSCCは、化粧品技術者や研究者にとって最も権威ある学会として知られています。今回の大会では、全688件の研究が報告され、その中から厳選された発表のみが行われました。ポーラ化成工業がこの大会での受賞を果たすのは9度目であり、受賞回数は世界第3位を記録しています。これにより、同社の研究力や技術力が世界的に認められた形となっています。
新たな研究成果とその影響
今回の発表では、化粧品の使用によって得られるユーザー体験を革新することを目指した研究が紹介されました。化粧品は単なる見た目の美しさを提供するにとどまらず、感覚や心の高揚感をもたらすものとされています。ポーラ化成工業は、脳のメカニズムを解明し、脳のanterior prefrontal cortex(aPFC)が異なる感覚において魅力を認知する重要な役割を果たすことを発見しました。
発表論文の内容
発表された論文『化粧品がもたらすある一つの感覚体験は、脳を通じて多感覚で感じる印象に影響しうるか?』では、化粧品の刺激が脳の特定の領域に与える影響について考察されています。磁気刺激を用いた実験により、魅力を感じる際に活性化するaPFCへの影響が示され、視覚や触覚における魅力の印象が高まることが明らかになりました。この研究は、化粧品が五感を通じて日常の体験をより魅力的にする「感覚変容ツール」としての可能性を示唆しています。
今後の展望
大石研究員は、今後さらに化粧品の触感や香りがaPFCを活性化させることができれば、利用者一人一人のWell-beingを高めることができるとしています。ポーラ化成工業は、既存の枠にとらわれず、新しい研究開発を進め、お客様の豊かで彩りある人生に貢献するとしています。
今回の受賞は、ポーラ化成工業が持つ技術力と将来性を改めて示しました。今後の研究の進展が、化粧品業界全体にどのように影響を及ぼすのか、注目が集まっています。