豊川市消防署がLivMapを導入
愛知県豊川市の消防署では、株式会社はんぽさきが提供する「LivMap(リブマップ)」が本年度から導入され、さまざまな災害事案での活用が進んでいます。本アプリは、チームメンバー間でのリアルタイムな情報共有を実現し、特に山岳救助や災害対応においてその効果が期待されています。
導入前の課題
この導入に至るまで、消防署内ではいくつかの課題がありました。現場と指揮本部との連携は主に音声で行われていたため、情報伝達には時間がかかり、電波の影響で不明瞭な点が多かったのです。また、情報を全体で把握できるのは指揮本部だけであり、現場の隊員との情報共有は難しい状況でした。加えて、地図やGPS端末も必要で、情報伝達が煩雑になっていました。
LivMapの導入による効果
LivMapの導入後は、現場と本部間での情報共有が飛躍的に向上しました。まず、携行地図から路網や地点情報をデジタル化し、より明確な地図として運用可能となりました。これにより、隊員はリアルタイムでの位置確認ができ、迅速な意思決定を促進することができました。
災害への対応事例
台風10号の際には、河川の増水状況や被災情報を即座に共有し、災害対策本部との連携が強化されました。また、能登半島地震の際には通信が途切れた状況でも、LivMapを利用して通行可能なルートを伝えることができ、迅速な安否確認作業に貢献しました。
課題解決への道
豊川市内では、山岳救助が増加傾向にある中、迅速なデータ共有は必須です。特に、2023年6月に記録的な大雨が降り、各所で氾濫が発生した際には、消防署が他の担当課と密に連携しなければなりませんでした。この際にLivMapが役に立つシステムとして浸透していきました。
新人教育への影響
新人教育面でも、LivMapは有効です。従来の紙の台帳に依存することなく、実際にデジタル地図で視覚的に学ぶことができるため、予習が容易となり、約束された行動を確実に実践できるようになります。点と点を結ぶ形で確実に成長できる環境が整いつつあるのです。
さらに広がる利用可能性
豊川市では、消防署だけでなく農務課や上下水道管理、危機管理課でもLivMapを導入しており、今後もその活用範囲は広がっていく見込みです。災害の度合いに応じて職員が緊急招集されるこの体制では、事前にテストを行っておくことで、緊急時の情報共有がスムーズに行えるような仕組みが求められています。
LivMapのサービス概要
「LivMap」は、汎用性とコストパフォーマンスを強みとする共有地図アプリで、現場で必要な情報をリアルタイムに共有し、設備管理や行政業務など幅広い用例で活用されています。2024年6月25日に正式サービスが開始される予定で、今後ますますの発展が期待されます。
このように、豊川市消防署におけるLivMapの導入は、現場での迅速な意思決定や効果的な情報共有、さらには新人教育の質の向上に寄与しています。今後もこの技術が行政や消防を支え、より安全な社会へとつながっていくことが期待されています。