磐田市が進める空き家活用プロジェクト
磐田市では、地域の活性化と空き家問題の解決を目指して、国登録文化財である「旧津倉家住宅」を拠点とする新たな取り組みを始めました。このプロジェクトは、空き家の所有者と購入希望者のマッチングや市民への啓発活動を行う地域おこし協力隊が中心となって実施されています。これにより、地域のアイデアを活かし、空き家の再利用を促進することが期待されています。
旧津倉家住宅の歴史
「旧津倉家住宅」は、明治22年(1889年)に建てられた、掛塚湊の廻船問屋、材木商として繁栄してきた歴史的建物です。2023年に国の登録有形文化財として登録され、その歴史的価値が改めて評価されています。この家屋を拠点とすることで、地域の文化を尊重しながら活用の可能性を広げていくことが狙いです。
かけラボの設立
開設された拠点は「かけラボ」と名付けられ、空き家の活用に関して多様な相談ができる場所となります。「使わなくなった住まいを再利用したい」、「カフェなどの新しいビジネスを始めたい」といった地域のニーズに対し、専門の地域おこし協力隊が直接サポートします。
設立された拠点は旧津倉家住宅(掛塚1099番地1)で、令和8年3月31日まで運営されます。営業日は月曜日から水曜日の午前9時から午後5時までで、利用者が気軽に訪れることができる環境が整えられています。
地域に込められた思い
磐田市がこの場所に拠点を設けた理由はいくつかあります。まず、地元の方々が地域振興に対して熱心に取り組んでおり、多くの共創提案が寄せられている点です。また、旧津倉家住宅の他にも歴史的価値の高い建物が多く存在する地区であるため、地域にとって「はじまりの場所」としても適切であると判断されました。さらに、旧掛塚郵便局跡の利用成功事例があり、これも重要な要素となっています。
複数の協力隊メンバー
今回の取り組みを支える地域おこし協力隊には、秋山拓哉さん、川邉正人さん、藤田亮太郎さんの3人が選ばれました。彼らはそれぞれ異なるバックグラウンドを持ち、磐田市や地域振興に対して強い熱意を持っています。
- - 秋山拓哉さん(神奈川県出身)は、住宅地図会社やエンジニアとしての経験を活かし、空き家との関わりを深めてきました。地方での暮らしに興味を持ち、磐田市の活動に応募しました。
- - 川邉正人さん(新潟県出身)は、IT企業でのWEB制作や宿泊施設経営の経験を経て、静岡県への再移住を希望して地域の活性化に貢献したい想いから参加しました。
- - 藤田亮太郎さん(浜松市出身)は、空き家のリノベーションや民泊運営の経験をもとに磐田市とのつながりを大切にしています。
未来に向けた取り組み
磐田市は空き家問題の解消に向けあらゆる取り組みを進めています。今後も地域おこし協力隊を中心に、さまざまなセミナーや相談会を開き、住民とともに空き家の価値を再発見し、地域全体の活性化を図っていく予定です。
詳細については、磐田市の公式ウェブサイトを訪れてみてください。