新進作家・城戸川りょうが描く痛快サラリーマン小説
3月6日、株式会社文藝春秋から新作『高宮麻綾(たかみや まあや)の引継書』が発売される。この作品は著者の城戸川りょうによるデビュー作であり、早くも多くの関心を集めている。初刷部数も大幅に上方修正されるなど、期待の高さがうかがえる。
魅力的な装画と話題の作品
d今回、作品のカバーアートが初めて公開された。イラストレーターの中島花野氏による装画は、これまでに数々の人気書籍の表紙を手掛けてきた実力派で、そのアートは本作に対する期待を一層高めている。
投稿された応援メッセージ
城戸川さんの新作が発表された後、多くの著名人から応援のメッセージが寄せられている。作家の辻村深月氏は「完成度が高いエンターテインメント作品」と評価し、続けて「著者はエンタメの世界で即戦力の持ち主だと感じた」と絶賛している。また、同じく作家である森絵都氏は「非常に良くできた作品で、私などは見事に感情をコントロールされた」と、作品に元気をもらったと述べた。
新川帆立氏も「読むと仕事のやる気が湧いてくる」とエネルギーを感じる作品として紹介し、文芸評論家の三宅香帆氏は「仕事ってむかつくけど面白いよな」と共感を呼ぶ感情を描写した。
一方、ライターの瀧井朝世氏は、この物語が「仕事が好きな人、仕事の理不尽を知る人にとって心にぶっ刺さる」と述べ、仕事を取り巻く厳しさや楽しさをうまく捉えていると称賛している。
物語の舞台と展開
『高宮麻綾の引継書』は、会社員の高宮麻綾が主人公。彼女は新規事業を精魂込めて作り上げたが、そのアイデアが親会社によってリスク回避の名目で潰されてしまう。「なんであんたたちの意味わかんない論理で、あたしのアイデアが潰されなきゃなんないのよ!」と怒りを露わにする彼女は、社内外を駆けずり回り、“リスク”を徹底的に調査することに。ここから彼女の奮闘が始まる。
作品の魅力
本作は、恩義や出世欲、さらには忖度といった昭和的な価値観が色濃く残る職場環境において、高宮がどのように自分の信念を貫き通すかを描いている。令和のサラリーマンたちにとって、共感を呼ぶ内容とリアルな描写が、心を掴んでいるようだ。今の時代の会社の難しさ、面白さを堪能できる作品といえる。
書誌情報
- - 書名:『高宮麻綾の引継書』
- - 著者:城戸川りょう
- - 定価:1,760円(税込)
- - 出版社:文藝春秋
- - 発売日:2025年3月6日
- - ISBN:9784163919515
- - 書誌URL:文藝春秋
来たる発売日を前に、城戸川りょう氏の新作『高宮麻綾の引継書』に是非とも注目してみてほしい。