「木本事件」深掘り特番、ナレーションは寺島しのぶさんが担当

「メ～テレドキュメント掌で空は隠せない～木本事件の99年後」

名古屋テレビ放送（メ～テレ）が放送するドキュメンタリー番組「メ～テレドキュメント掌で空は隠せない～木本事件の99年後」が、1月12日（日）の深夜0時45分から放送されます。この特番は、1926年に三重県の木本町で発生した「木本事件」を掘り下げ、朝鮮人労働者が武装した町民に襲撃されるという悲劇を通じて、現代に続く差別問題を考察します。

この事件は、当時の町民と朝鮮人労働者の小さなトラブルがきっかけとなり、恐れから広まった噂によって引き起こされました。それに続いた襲撃によって、2人の労働者が命を落とし、その後、この事件は地元でタブー視されるようになりました。このドキュメンタリーでは、事件の背景に潜む複雑な要因を掘り起こし、報道によって過去の真実を伝えることを目指しています。

同番組のナレーションを務めるのは、女優の寺島しのぶさんです。彼女は、「平和な日本では過去に何が起こったかを振り返る機会はほとんどない」と述べ、木本事件の特集が差別の実情を考えるきっかけになると期待しています。特に、目に見えない差別が根強く存在していることを多くの人々に認識してもらいたいという思いが伝わります。

番組を制作したメ～テレのプロデューサー村瀬史憲さんは、「関東大震災の後に、なぜ関東から離れた三重県で同じような事件が起きたのか」をテーマに、取材を行ったと語ります。彼は、当番組が民族差別について深く考える契機となることを願って制作に取り組みました。

また、番組には、木本事件を追悼するために市民団体が立てた追悼碑や、事件に関する証言を集めた映像が含まれています。当時の心情や背景について、僧侶や教師、そして在日コリアンの視点を交え、差別がもたらす影響についても触れられます。

この深掘り特番は、視聴者にとって過去の悲劇を思い起こすだけでなく、現在に生きる私たちが直視しなければならない教訓をもたらすような貴重な機会となります。

本番組は、東海3県（愛知・岐阜・三重）で放送され、さらに広く共感を呼び起こすことを目指します。視聴者は、自身の居場所で差別の問題について新たな視点を持つことができるかもしれません。

詳細な情報は、番組ホームページをご覧ください。