株式会社図研、次世代半導体パッケージのコンソーシアム「JOINT3」に参画
株式会社図研は、次世代半導体パッケージに特化した新しいコンソーシアム「JOINT3」に参加しました。このコンソーシアムは、半導体の材料から装置、設計に至るまでのプロセスを共創し、革新的な製品の開発を目指しています。JOINT3は、株式会社レゾナックによって設立され、パネルレベル有機インターポーザーの開発を加速することを目的としています。
JOINT3の目的と構成企業
JOINT3は、さまざまな業界のトップ企業が集まるプラットフォームであり、全体で27社ほどが参画しています。その中にはAGC株式会社やキヤノン、東京エレクトロンなど、名だたる企業が名を連ねています。これらの企業が共同で取り組むことにより、半導体パッケージに必要な材料、装置、設計ツールの開発が効率的に進むと言われています。
このコンソーシアムでは、515 x 510mmサイズの試作ラインを用いて、有機インターポーザーに最適な新しい材料や装置の開発が行われます。これは、データ通信容量の増加や高速化が求められる現在の市場ニーズに応じた戦略です。
図研の参画意義
図研は、長年にわたり先端パッケージ設計環境の提供を行ってきました。特に、EDAベンダーとしての技術力を活かし、JOINT3においては次世代半導体パッケージング設計や製品評価の実践に積極的に参画することが期待されています。図研は自社のCR-8000 Design Forceを用い、設計から製造、さらには各種テストに至るまでのプロセス全体における支援を行う計画です。
課題と技術革新
この新たな取り組みでは、次世代半導体技術における後工程のパッケージング技術がカギとなっています。特に、2.xDパッケージと呼ばれる設計手法は、複数の半導体チップを組み合わせて高性能なデバイスを実現するための重要な技術となります。この技術では、インターポーザーという中間基板を介して半導体チップを接続し、性能を最大限に引き出すことが求められています。
しかし、インターポーザーのサイズが大型化することで、従来の製造手法ではウェハあたりの取り数が減少するという課題があります。これに対処するため、円形から四角いパネル形状への変更が注目されています。これによりファブリケーションプロセスが改善され、収益性が向上する可能性があります。
未来への展望
今後、JOINT3での活動が進むことで、次世代半導体パッケージの設計・製造・評価プロセスが著しく進化することが期待されています。図研は、自社の技術と豊富な経験を駆使し、各企業との共創を通じて次世代エコシステムの形成に寄与し、新たなサプライチェーンの基盤を築くことを目指しています。今後の展開に注目が集まります。