東映が描く未来:マルチユースビジネスモデルの新たな挑戦
東映グループは、2033年に向けた中長期ビジョンを描き、その計画を経営者講演で発表しました。このビジョンは、国内外へ魅力ある「ものがたり」を届けるための新たな施策を含んでおり、東映の長い歴史を背景にして新しい挑戦を意味しています。今回は、吉村文雄社長の講演内容をもとに、東映の未来展望について詳しくお伝えします。
「ものがたり」を作り続けるレガシー
吉村社長は、入社式での千夜一夜物語に触れ、映像業界との出会いを振り返ります。彼の幼少期から映像の世界が身近にあり、東映への入社を決めた背景には、幼少期の経験や「空中つかみ取り」という精神があったと語ります。吉村社長が初めてプロデュースした作品は、渡瀬恒彦主演の『Nile ナイル』であり、これが彼のキャリアの出発点となりました。
新しいジャンルの開拓とメディアの進化
東映の歴史は、創立からわずか7年での赤字から黒字転換に始まります。昭和30年代には、日本映画が全盛期を迎え、時代劇ジャンルで大きな影響を与えました。また、テレビ放送局の設立やヒット作のシリーズ制作を通じて、映像業界に新しい風を吹き込みました。さらに、Vシネマやアニメーションといった新ジャンルへの挑戦も続き、東映のビジネスモデルは、膨大なライブラリ作品に支えられています。
中長期ビジョン:海外展開の新たな挑戦
吉村社長は、東映グループが掲げる中長期ビジョンについて説明しました。特に海外市場への展開が強調され、「ものがたり=エンターテイメント」を世界に届けるために、2033年までに海外売上高比率を50%にすることを目指しています。この大きな目標は、日本の文化を国際化するための重要な一歩です。
質問コーナーから見える今後の展開
受講者からの質問コーナーでは、業界や会社、人材育成、マーケティングデータの利用法、さらには海外展開の具体策について吉村社長が応じました。特に、人材育成の重要性が強調され、未来の映像界を支える人材の育成に力を入れていくとのことでした。
未来の映像業界を切り開く企画力
最後に、吉村社長は2023年に設立した「FLARE CREATORS」について触れました。これは、世界市場を意識したオリジナル映像企画開発を行う会社で、現代のエンターテイメントのニーズを反映した新たな取り組みです。これにより、東映は今後も「ものがたり」にフォーカスし、世界と未来を彩る企業として進化を続けると宣言しました。
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このように、東映はただ過去を語るのではなく、未来を見据えた新しい挑戦を続けています。これからの東映から目が離せません。