「第2回 今の運賃はもう古い!荷主企業のための適正運賃把握セミナー」開催レポート
2024年11月13日(水)、大阪にて船井総研ロジ株式会社が主催した「第2回 今の運賃はもう古い!荷主企業のための適正運賃把握セミナー」が開催されました。このイベントは、荷主企業の物流部門の責任者を対象にしたもので、最新の物流業界の状況を反映した内容となりました。
参加者のニーズ
セミナーは、運賃の適正化を考える上で重要なポイントを押さえる機会となりました。以下のようなニーズを持つ企業が参加しました:
- - 委託先からの価格改定要請に対する社内の適正判断軸が欠如
- - トラック輸送の原価計算を過去に行ったことがない
- - 複数の委託候補からの見積もりを価格のみで判断
- - 3年以上にわたって物流費の見直しを行っていない
- - 委託先からの要請がなければ運賃交渉を行わない
セミナーの構成
セミナーは3つの講座で構成されており、それぞれが特定のテーマにフォーカスを当てていました。
第一講座: 荷主に求められる物流管理
このセッションでは、実運送管理簿に基づいた物流実態の把握方法、及び運送手数料が荷主にとってどのような負担をもたらすのかについて詳しく解説されました。
第二講座: 適正な運賃を見極める視点
ここでは、安価な提案が必ずしも良い提案とは限らないとの視点から、物流会社の原価計算手法についてや、その評価基準について講義が行われました。
第三講座: 荷主企業が持つべき価格交渉判断軸
最後の講座では、運賃以外にも考慮すべき関連費用や、自社の物流実態を把握することの重要性について伝えられました。
講師のご紹介
このセミナーを担当したのは、船井総研ロジの執行役員かつコンサルティング本部の副本部長である田代三紀子氏です。彼女は、製造業や小売業向けの物流戦略への支援を長年行っており、特に物流拠点の見直しやコスト削減策に関する専門知識を持っています。また、環境問題に関連するテーマとして脱炭素やESGロジスティクスに関する研修も手がけています。
その他にも、シニアコンサルタントの普勝知宏氏が参加し、彼の経験を基にした物流改善提案についても解説されました。彼は物流拠点の見直しや業務委託先の再選定など、幅広い領域での支援を行っています。
物流業界の現状と将来
現在、物流業界は深刻なドライバー不足やその労働環境に関する問題に直面しています。長時間労働や報酬の低さは、持続可能な成長を妨げる要因となっています。国土交通省は、この課題に対して運賃見直しを促し、新たな基準となる「標準的運賃」を令和6年3月に告示する予定です。
この新指針は、業界における運賃交渉に関する重要な基準として機能し、荷主企業にとっての大きなサポートとなるでしょう。セミナーでは、この新たな運賃基準に対する具体的な情報や、交渉時にどの程度までの値上げが許容されるかについても議論が交わされました。
会社紹介
船井総研ロジ株式会社は、物流戦略の策定、倉庫の現場改善、コスト抑制の高度な体制構築を行う、国内有数の総合物流コンサルティング会社です。また、物流に関心のあるプロフェッショナルが集う「ロジスティクス・リーダーシップ・サロン」を運営し、情報交換や知識の共有を進めています。
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船井総研ロジ株式会社