宿場JAPAN、インバウンド需要の復活と売上増加
株式会社宿場JAPANは、品川エリアを中心にゲストハウスを運営する企業で、2023年における売上が2019年に比べ139%、前年に対し212%の増加を記録しました。これにより、コロナ禍で減少していた観光需要が明らかに回復したことがわかります。
インバウンド客の回帰
宿場JAPANが運営するゲストハウス品川宿、BambaHotel、Araiyaの3店舗では、特にインバウンド観光客からの需要が顕著に見られます。アジア、ヨーロッパ、北米からの訪問者が主要な増加要因であり、具体的にはアジアからの宿泊者が20.1%、ヨーロッパが17.6%、北米が16.7%を占めています。このように、インバウンドの観光客が戻ってきたことで、宿場JAPANの売上も急増しています。
一方で、国内宿泊客の数は、依然として2019年比67%と回復していない状況です。国内観光需要の変化もさまざまです。以前のように国内旅行だけでなく、インバウンドの需要が高まっていることを考慮すると、今後ますます柔軟な対応が求められるでしょう。
予約プラットフォームの変化
インバウンド需要の増加に伴い、予約プラットフォームにも変化が見られています。AirbnbやHOSTELWORLDなど、多くのインバウンド客がこれらのプラットフォームを利用する傾向が増しています。特に、電話予約は主に団体客や常連客によるものが多く、コロナ禍での全体的な宿泊需要の減少時には、高い割合を占めていました。
宿場JAPANの未来への展望
宿場JAPANの代表取締役である玉井(渡邊)崇志氏は、2019年まで順調に成長してきた事業が、コロナ禍の影響で厳しい時期を迎えたことを振り返ります。その中でも、2023年度の総売上は過去最高を達成し、多角的な経営戦略が功を奏した結果となっています。特に宿泊運営受託ビジネスやトラベル事業が収益を上げ、多様な顧客ニーズに応える体制を整えています。
持続可能な観光の取り組み
今年5月には、グループ会社と連携して旅行業登録を行い、「LOCAL CONNECT」という地域体験ネットワーキングも始めました。この取り組みでは、地域との共生や持続可能な観光体験の提供を目指しています。特に「ローカルな暮らし」や「地元の人との交流」を重視したツアーが増加していることから、品川エリアでの観光需要の高度化に応えるための努力がなされています。
今後、宿場JAPANは不動産高騰や競争激化といった課題に立ち向かい、地域との共生を目指した観光の提供を続けていく考えです。宿場JAPANの今後の動きから目が離せません。