日本の機械工業を知るための新刊『機械ビジネス』
技術が進化する現代、私たちの生活に欠かせない機械がどれほどの役割を果たしているか、皆さんはどれだけ実感しているでしょうか?新刊『機械ビジネス』が本日、株式会社クロスメディア・パブリッシングから発売されました。この本は、20年にわたり機械産業を取材してきた著者、那須直美氏によって執筆されており、工作機械から宇宙開発、医療分野まで、広範な機械産業の全貌を明らかにしています。
機械工業の重要性を解き明かす
著者である那須氏は、産業ジャーナリストとして『製造現場ドットコム』を運営し、機械産業の現場から得た知見をもとに、一般にはあまり知られていない機械工業の魅力と重要性を解説しています。モノを作り、生活を支える機械技術の進化は、国の成長力を表しているとも言えるのです。特に、日本が高度経済成長期に入った背景には、機械工業の大きな貢献があったことが本書で明らかにされています。
その時代の工作機械の発展によって、多くの新しい技術が次々と市場に投入され、多くの製品が生活を豊かにしました。『機械ビジネス』では、こうした歴史的な視点を踏まえながら、現代における日本の製造業の競争力や、今後発展が予測される新技術についても言及されています。
カーボンニュートラルを視野に入れた機械産業の革新
現在、カーボンニュートラルの重要性が高まっていますが、機械産業もこの流れを受け、大きな変革期を迎えています。自動車産業では電気自動車(EV)の普及が進み、航空機分野では水素燃料や電動化技術が注目されています。また、建設機械では宇宙開発に向けた新技術が導入され、地球上の建設現場にも影響を与えています。
そんな変革の時代に、機械工業がどのような役割を果たすのか、本書では最新の事例とともに詳しく解説しています。さらに、少子高齢化に伴う労働力不足に対して、DX(デジタル・トランスフォーメーション)とGX(グリーン・トランスフォーメーション)が急務となっていることも述べられています。
機械工業に興味がある方への一冊
本書は、機械工業に関わる全ての人々に役立つ内容です。製造業に従事している方、これから就職を考えている方、さらには機械工業に興味がある一般の方にもおすすめです。具体的には、機械工業の現状や未来を知りたい方、日本の産業競争力に関心のあるビジネスパーソンにとっても貴重な情報源となるでしょう。
書籍の構成
本書は、全9章から成り立っています。
1. 歴史から学ぶ機械ビジネスの世界
2. 工作機械から学ぶものづくりの世界
3. 機械加工から学ぶ金型・部品と材料の世界
4. 現場から学ぶロボットの世界
5. 輸送用機械から学ぶテクノロジーの世界
6. 建設機械から学ぶインフラ整備の世界
7. 宇宙開発から学ぶ機械産業DXの世界
8. 医療・情報通信機器・時計から学ぶ超精密加工の世界
9. 世界情勢から学ぶこれからの機械ビジネスの世界
それぞれの章で、機械業界の新たな可能性や技術の変遷、未来予測が詳細に描かれています。
著者について
那須直美氏は、インダストリー・ジャパンの代表であり、産業ジャーナリストとして20年以上の実績があります。彼女の取材スタイルは「泥臭いところに真実がある」という信念のもと、国内外の企業や製造現場を精力的に取材しています。日本のメーカーや技術革新に関心のある読者にとって、極めて有益な情報を提供しています。
まとめ
新しい技術や市場の変化を捉え、立ち向かう機械産業の真実を知る機会を提供してくれる『機械ビジネス』。機械産業の未来と日本の競争力を知りたい方にぜひ手に取っていただきたい一冊です。