「ゲド戦記」新たな物語『火明かり』の刊行
ファンタジー文学の偉大な作家、アーシュラ・K. ル=グウィン。彼女の代表作とされる「ゲド戦記」シリーズは、無数の島々からなる架空の世界アースシーを舞台に、魔法と冒険に満ちた物語を展開しています。1970年代に最初の作品が日本に紹介されて以来、国内での累計売上は245万部を超え、多くの読者に愛されています。その伝説的なシリーズの最新作となる「火明かり」が、ついに2025年5月29日に刊行されることが発表されました。
新作『火明かり』の概要
「火明かり」は、ル=グウィンの死後に公表された新たなエピソードであり、これまでの物語を束ねる重要な要素を持っています。この作品は、短編ながらもゲドの人生の最後を描いており、彼の心の内面に迫った深い感情を表現しています。
今回の刊行では、『火明かり』を含む短編やエッセイ、講演なども収録された日本語版オリジナル編集の別冊として、岩波少年文庫から刊行されます。シリーズの魅力を再確認させるだけでなく、新しい発見も与えてくれる貴重な作品集となるでしょう。
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刊行情報
- - タイトル: 『火明かり ゲド戦記別冊』
- - 著者: アーシュラ・K. ル=グウィン
- - 翻訳: 井上里、清水真砂子、山田和子、青木由紀子、室住信子
- - 発売日: 2025年5月29日
- - ISBN: 978-4-00-114632-5
- - 価格: 900円+税
- - 購入はこちらから
「ゲド戦記」の影響と今までの経緯
「ゲド戦記」は、1968年から1972年にかけて三部作として刊行された作品から始まり、ル=グウィンの独自の世界観が展開されています。その後、シリーズは拡張し、1990年の『帰還』、2001年の『ドラゴンフライ』、さらに『アースシーの風』と続きます。
2014年には「オドレンの娘」も発表され、ファンは新たな物語の展開を楽しみにしていましたが、2018年にル=グウィンが逝去すると、多くの読者がゲドの物語はここで完結したと感じました。しかし、「火明かり」の登場により、再びゲドの冒険が続くことに期待が寄せられています。
ゲドの最後の物語「火明かり」の内容
「火明かり」は、雑誌「パリ・レビュー」にて発表された短編で、ゲドが生と死の狭間で、彼の過去を振り返る姿を描いています。この物語は、ゲドと彼を取り巻く人々の深い絆と、彼の成長過程における葛藤を浮き彫りにしています。物語の核心には、友情や思い出、自己との対話が含まれており、読者の心を揺さぶることでしょう。
特別な刊行物とセット商品
さらに、同時発売される『岩波少年文庫 ゲド戦記 全7冊 美装ケースセット』には、これまでの全巻と新作『火明かり』が収録されており、特製の栞が付属します。この美装ケースセットは、コレクターやファンにとって見逃せないアイテムです。
この特別な刊行を通じて、ル=グウィンの魅力的な世界観が再び多くの人に届けられることになるでしょう。ファンタジー文学の金字塔としての歴史を持つ「ゲド戦記」。その最後のエピソードを手にし、アースシーの美しい物語の旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
- - 『火明かり』特別公開ページ
- - 同時発売: 『岩波少年文庫 ゲド戦記 全7冊 美装ケースセット』
- - ISBN: 978-4-00-204350-0
- - 価格: 6,120円+税
- - 購入リンク
「ゲド戦記」の新しい物語を通じて、ル=グウィンの深淵な思想と美しい表現を再び体験できるチャンスです。今から待ち遠しいですね。