シェルパワークスとJAISTによる新たな研究
シェルパワークス株式会社は、国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)との合意のもと、AI技術を活用した営業職向けの人材評価アセスメントの共同研究を開始しました。このプロジェクトの目的は、BtoB営業において重要な要素を明らかにし、それに基づいた高精度な評価方法を確立することです。
研究の背景
営業組織では、高パフォーマンスの営業担当者の行動や思考を理解し、それを育成やマネジメントに役立てる必要があります。しかし、現状では営業成果が個々の経験や感覚に大きく依存しており、以下のような課題が日常的に発生しています。
- - 営業スキルの強みや弱みの客観的把握が難しい。
- - マネジメント者による主観に影響されやすい育成ポイント。
- - トレーニングによる成果の変化を定量的に追うことが困難。
- - 成功した営業パーソンの行動特性を組織全体に展開する困難さ。
これらの課題に対し、シェルパワークスは、独自の知見を活かして営業に関連する能力を整理し、実践的なケーススタディやロールプレイを通じてAIを使った評価方法を模索しています。
研究内容
共同研究では、以下の主要なテーマを検討していきます。
1. 営業コンピテンシーの評価設計
営業活動を「案件化」「提案」「受注」「自己管理」の4つの領域に整理し、各プロセスにおける重要な能力を抽出します。これらを基に、実際の営業シナリオを模した演習を通じて測定可能な評価基準を設計します。
2. AIによる評価の検証
AIの評価結果と専門家による評価の一致度を検証し、評価基準となるルーブリックや採点ガイドを整備します。AIによる評価のブレを抑えるための仕組みを検討し、精度を高めます。
3. 実務を再現した演習モデル
営業現場におけるリアルな状況を想定し、実務に近い形で測定できる演習設計を進めます。これには初回訪問から提案実施、受注交渉に至るまでの一連の業務フローが含まれます。
4. フィードバックレポートの設計
アセスメント結果を単なる数値で示すのではなく、営業担当者の成熟度や強み・課題・改善点を明示するフィードバックレポートを作成します。これにより、受検者の成長を促進します。
今後の展望
共同研究を進める中で、プロトタイプの開発とモニター検証を重ね、実際の営業現場で実用可能な評価方法の実装を目指します。また、研究成果は学会発表や論文発表を通じて広く共有し、営業人材評価の向上に貢献する予定です。
シェルパワークスの代表取締役である米倉達哉氏は、「営業は企業成長の核心であるが、未だに属人的な評価が強い。この研究を通じて、営業力を科学し、全ての営業担当者が成長できる基盤を整えていきたい」と述べています。一方、JAISTの長谷川教授も、「営業能力を定義し、測定することはこれまで体系化されていなかった。この研究を通じて、学術的知見と実務を融合し、再現性のある評価手法を確立することに貢献したい」と語っています。
この共同研究は、営業分野におけるAI技術の活用を進め、新しい人材育成のスタンダードを築く第一歩となるでしょう。