WTTCが新たなホテルサステナビリティ認証制度を導入
2026年6月25日、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)は、ホテル業界のサステナビリティプログラム「Hotel Sustainability Basics」を、独立した第三者認証制度へと移行することを正式に発表しました。この新しい制度は、グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(GSTC)の認証フレームワークへと段階的に発展していくことを目指して設計されています。
環境への信頼性向上
今回の移行は、EUにおける環境関連の規制が厳しくなっている流れを受けたものです。特に、環境に関する表示や企業の主張の信頼性向上が求められる中で、ホテル業界でもサステナビリティへの取り組みを国際的に信頼できる形で示すことが重要視されています。この新しい認証制度により、ホテルは外部からの客観的な評価を受けることができ、旅行者や企業、投資家に対してその取り組みをより信頼性のある形で示すことが可能になります。
Hotel Sustainability Basicsとは
「Hotel Sustainability Basics」は、2022年にWTTCがホテル業界と連携して開発したプログラムです。このプログラムでは、エネルギーや水資源の効率的な管理、廃棄物の削減、温室効果ガス排出量への対応、地域社会への貢献、そして自然保護など、ホテルが取り組むべき12の基本アクションの指針を示しています。これにより、ホテルの規模やブランドに関わらず、その導入が容易であるため、現在では世界中で85か国、8,000軒以上のホテルがこのプログラムを採用しています。これにより、ホテルサステナビリティの実践における共通基盤が確立されています。
新認証制度の影響
WTTCの「Hotel Sustainability Basics」の認証制度への移行は、ホテル業界全体にとって新たな節目となります。この変更は、ホテルサステナビリティに関する共通の考え方と評価方法を広く共有することにつながり、業界全体の持続可能性向上に貢献することでしょう。WTTCのCEOであるグロリア・ゲバラ氏は、「このプログラムがサステナビリティの実現可能性を示し、全てのホテルが取り組めることを証明しています」とコメントしています。
印象的なのは、GSTCのCEOであるランディ・ダーバンド氏が「これはホテル業界にとって非常に重要な瞬間です」と述べたことです。彼は、信頼性と一貫性のあるアプローチが一層強化され、WTTCの取り組みがGSTC基準に沿った認証へ進化する姿を見せることができると明言しています。
GSTCの目的と活動
GSTC(グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会)は、持続可能な旅行・観光に関する国際標準「GSTCスタンダード」を策定し、管理する非営利団体です。2007年に国連環境計画(UNEP)や国連世界観光機関(UNWTO)などの支援を受け設立され、多様なステークホルダーが参加しています。GSTCは、観光事業者を直接認証するのではなく、第三者機関の認定や国際スタンダードの普及を通じて持続可能な観光を支援しています。
今后もGSTCはWTTCなどの業界関係者と共にホテルのサステナビリティ評価基盤を強化し、旅行や観光産業全体の持続可能性向上へと寄与していくことが期待されています。