新型臨床化学分析装置『アイギアプロ』の全貌―3項目を一台で簡便に測定

株式会社サカエが開発した新型臨床化学分析装置『アイギアプロ』は、医療現場に革新をもたらす製品として注目を集めています。この装置は、ヘモグロビンA1c、C反応性蛋白（CRP）、および尿アルブミン対クレアチニン比（ACR）を一台で測定できる優れた性能を持っています。

機能と特徴

『アイギアプロ』は、従来の機器に比べて大幅に進化しています。これまでの製品では測定ごとに異なる機器が必要でしたが、この装置は測定項目を一本化することで、医療現場の効率性を大幅に向上させます。特に、CRPは炎症の指標としての重要性が高まっており、新製品では従来の基準値（0.3mg/dL）よりも低い値（0.1mg/dL）を測定可能としています。

この装置は、外観としてもコンパクトで、設置面積は官製はがき2枚分以下です。また、重量はわずか3.5kgと軽量で、持ち運びやすく、医療機関での取り扱いも容易です。これにより、診察室や小規模なクリニックにも最適な選択肢となります。

測定プロセス

硬式試薬カートリッジが必要で、専用のカートリッジを装置に差し込むと自動的に測定が開始されます。このプロセスには、専門的な前処理は不要で、直感的に操作できるよう設計されています。測定結果は内蔵プリンターでその場で出力され、また電子カルテとのデータ連携も可能です。

市場展望

サカエは『アイギアプロ』の展開を通じて、POCT（Point of Care Testing）市場でのシェアを大幅に拡大することを目標にしています。現在、ヘモグロビンA1c検査においては、海外の大手メーカーに次ぐ25%のシェアを持っていますが、今後は40%を目指すとしています。特に、その高い性能と使いやすさが評価されることで、広範な医療機関への普及が期待されています。