ファミリーマートが目指す物流配送におけるCO2削減の新戦略
株式会社ファミリーマートは、持続可能な社会の実現に向けて、2030年までに2017年度対比で30%のCO2排出量削減を目指しています。この目標に向けた幅広い取り組みが、同社の物流配送の効率化と環境負荷低減に寄与しています。
1. AIを駆使した配送シミュレーション
ファミリーマートは、2022年10月から弁当やサンドイッチなどの温度管理が必要な商品の配送にAIを用いたシミュレーションを導入し、2023年10月からは冷凍配送にも適用しています。2024年6月には常温商品にもこのシステムを導入予定です。このシミュレータを活用することで、配送ルートの最適化が実現され、結果として配車台数が約10%減少。走行距離も約5,300万キロ(約20%)削減されました。
2. 環境に配慮した車両の導入
ファミリーマートは、2019年からクリーンディーゼル車両への切り替えを進めています。2025年2月末までに約2,300台の配送車両を環境基準をクリアしたモデルに変更することを目指しています。また、2021年からは燃料電池(FC)小型トラックの導入を始め、最新技術を用いた環境配慮型車両の走行を実現しています。さらにリニューアブルディーゼルを使用した配送車両も一部運用中です。
3. 共同配送による効率化
2024年2月からはコカ・コーラ ボトラーズジャパンと連携し、神奈川県海老名市や厚木市での共同配送を開始。車両の共同利用によって、新たな配送車両の必要台数を削減し、配送の安定化を図っています。
4. 今後の展望
ファミリーマートは今後、配送コースの効率化をさらに進め、シミュレーション精度を向上させることに加え、環境に配慮した車両の導入、異業種との連携強化に取り組んでいきます。特に、配送頻度や物流の平準化を見直すことで、より効率的な配送体制を確立する予定です。
ファミリーマートはこれらの施策を通じて、物流配送におけるCO2排出量を大幅に削減し、持続可能な社会の達成に寄与することを目指しています。これからの取り組みから目が離せません。