Space BD、防衛省との初の衛星打上げ契約
宇宙産業の発展を目指すSpace BD株式会社は、段階的な衛星打上げ業務を防衛省から受注し、この度新たな一歩を踏み出します。同社が手掛ける「多軌道観測実証衛星の打上げ」と題されたこのプロジェクトでは、和歌山県串本町・那智勝浦町に位置するスペースポート紀伊から、カイロスロケットを使用して衛星を打ち上げる予定です。
Space BDとは
Space BDは、日本の宇宙ビジネスを支える商社として、宇宙環境利用や衛星の打上げサポートを提供する会社です。創業以来、超小型衛星の相乗り打上げを推進してきましたが、今回は初めての試みとして、単体の小型衛星打ち上げに挑戦します。これにより、従来以上に柔軟で迅速なサービスをクライアントに提供できるようになります。
プロジェクトの概要
本プロジェクトにおいて、Space BDは、複数の衛星を一度に打ち上げる相乗り方式に替わり、小型衛星を主衛星として固定的にロケットを調達。これにより、柔軟性の高い打上げ支援が可能となるのです。契約は令和7年3月31日に締結され、衛星の打上げは2026年度内に計画されています。
このプロジェクトは、宇宙領域把握能力の向上を狙いとしており、地球低軌道における衛星の動きを監視し、情報を集積するための実証を行います。特に、キヤノン電子が開発した光学衛星を用いたこのミッションは、日本の宇宙産業にとっても意義のある意向です。
Space BDの展望
Space BDは、今後も小型衛星を主衛星にした打上げ機会の拡充を図り、宇宙空間輸送に必要な技術を習得・普及させていく考えです。顧客にとっての最適な打上げ機会を提供し、日本全体の宇宙産業の競争力を高めることで、会社のビジョンである「宇宙の一大産業化」に寄与することが期待されています。
スペースワン株式会社について
同プロジェクトでは、Space BDが提携するスペースワン株式会社が重要な役割を果たします。スペースワンは、自社専用の射場「スペースポート紀伊」と、小型ロケット「カイロス」を活用して、小型人工衛星の打上げに特化したサービスを提供しています。今後の宇宙市場において、年間打上げ数を増やすことが期待されています。
まとめ
Space BDが防衛省から受注したこの衛星打上げプロジェクトは、同社にとって初めての挑戦となりますが、それをエンジンにさらなる業務拡大を目指す姿勢が伺えます。日本の宇宙産業全体の発展にも大きく寄与することが期待されるこの動きは、未来の宇宙活動をより身近に感じさせてくれるでしょう。