愛知県豊橋市での運転士支援を強化
愛知県豊橋市では、公共交通のニーズに応えるため、路線バスやタクシーの運転士を目指す人々を対象とした就職支援活動が展開されています。特に2024年7月19日には、初の運転体験会が行われ、参加者から高い評価を得ました。
参加者に寄り添った支援プログラム
豊橋市は地域の公共交通の維持を目的として、2019年度から「路線バス等運転士確保支援事業」を実施しています。今年度は運転士の職業に対する理解を深めてもらうため、バスとタクシーの運転体験を組み込んだ会社説明会を初めて開催しました。この体験会は、とよはし産業人材育成センターの教習コースで行われました。
運転体験の内容
この日、参加者は11名。現地には豊鉄バス、豊鉄タクシー、東海交通、ヨシダ交通といった地元企業が集まりました。運転体験は大型免許や二種免許がない参加者でも可能で、豊鉄バスの運転士がサポート。教習コースで発進から信号待ち、坂道発進の実際の運転が体験できました。タクシーは、豊鉄タクシー、東海交通、ヨシダ交通のデザインタクシーが用意され、参加者はドライバーと一緒に運転を体感しました。参加者はドライバーに「運転中に心掛けていることは何か」と質問し、業務のリアルな側面を学ぶ機会にも恵まれました。
会社説明会とキャリア支援
また、このイベントでは各社のブースに設けられた会社説明会も行われ、参加者は自分が希望する企業の担当者から直接話を聞くことができました。そこでバス運転士やタクシードライバーの仕事内容や勤務体系、福利厚生についての詳細を理解するチャンスとなりました。豊鉄バスの担当者は、「健康であれば、70歳過ぎても働ける職業です」と説明し、年齢に関わらず挑戦できる職種であることをアピールしました。
就職支援セミナーも開催
その後、就職支援セミナーも行われ、キャリアコンサルタントが参加者に向けて自己分析や面接対策の重要性について解説しました。55歳の女性にとっては、運転好きという情熱が応募のきっかけで、「今回の説明会は貴重な経験になり、運転の仕事についてよく理解できた」との声が寄せられました。また、51歳の男性も興味深い体験をし、「命を乗せる重責を実感し、やりがいを感じた」と話しました。
面接までの手厚いサポート
豊橋市の運転士支援事業では、参加者に対して面接までの多様なサポートが用意されています。運転士業務を理解した上で、自分のキャリアを考える研修や、ビジネスマナー講習、個別キャリアコンサルティングを通じて、就職活動の支援を行います。長く職を探していなかった人でも、詳細な自己分析や履歴書作成が可能です。また、各社ともに、入社後は普通二種免許や大型自動車二種免許取得のための支援制度を用意しています。
次回のイベントへの期待
今後も、秋季(10月~11月ごろ)に同様のイベントの実施が計画されており、多くの人が運転士としての夢を実現するきっかけを得られることが期待されています。運転士不足が大きな課題となっている中、豊橋市の取り組みは地域公共交通を支えるための重要なステップです。