鎌倉の観光事情を変える新しい取り組み
2024年度から始まったKoeeruと鎌倉市観光協会の共創観光CRM事業が、2025年度もさらに進化することが発表された。この事業は、宿泊客や日帰り観光客の声を集めることで、地域の観光課題を解決することを目的としており、特に「鎌倉の朝と夜」をテーマに展開される。
取り組みの背景
これまでの調査活動では、観光消費額の向上を目指し、主に宿泊客からのフィードバックを収集していた。特に、鎌倉の観光業界では、国内外の観光客のニーズを正確に把握することが重要視されており、そうしたデータをもとにより適切な施策を考えることができる。この取り組みは、昨年度から継続され、市内宿泊事業者との連携によって、観光客のリアルなお声を集め、観光のトレンドや客層の違いを明らかにしていく。
拡大するタッチポイント
2025年度の事業では、宿泊施設以外にも交通機関、飲食店、観光案内所といった、さまざまなタッチポイントを新たに加える。その結果、日帰り観光客からもフィードバックを集められるようになり、鎌倉を訪れる観光客の多様な特性を把握できる体制が整う。
この新しいデータ収集の方法によって、観光客の動向がより詳細に把握できるようになり、観光施策の立案においても非常に役立つと期待されている。また、これにより地域全体での観光データの活用が進展し、鎌倉の魅力向上にもつながる。
データ収集の新しい仕組み
Koeeruと鎌倉市観光協会の間では、リアルタイムでデータを確認・活用できる仕組みが導入される予定だ。タッチポイントで得られたデータはすぐにデータベースに反映され、観光関連事業者はその情報を元に迅速なマーケティング活動ができるようになる。
加えて、アンケートに回答した観光客には、地元の人が推薦する観光スポットや飲食店をまとめたGoogle Maps「とっておきの鎌倉観光情報」がプレゼントされる。この取り組みによって、観光客はより豊かな体験を享受できることが期待されている。
事業の実施期間と調査対象
この共創観光CRM事業は、2025年4月から2026年3月までの期間にわたり実施される。調査対象には、日本人観光客はもちろん、インバウンド観光客も含まれる。また、調査は日本語、英語、中国語、韓国語の多言語で行われ、観光客が快適に答えられる環境を整えることにも配慮されている。
特に鎌倉市観光協会の大森道明会長は、「観光客の声を集めることで、観光事業者にとって非常に価値のあるデータを提供できると確信している。これまで以上に、日帰りの観光客の実像を把握することで、観光施策をより効果的にしていきたい。」と強調した。
Koeeruの長野草児代表取締役社長も「観光客の声を通じて、さまざまなアクションを生み出し、多くの事業者と連携していくことができるのは非常に喜ばしいことです。」と、この事業への期待を語った。
このように、鎌倉市の観光業界に対する新たな取り組みは、地域の活性化に向けて大きな影響を及ぼすことが期待されており、観光客にとっても魅力的な体験を提供する一助となるだろう。