FPTと東邦ガスによる新たな共同事業の始動
近年のデジタル技術の進展によって、企業ビジネスは新たな段階を迎えています。そんな中、FPTジャパンホールディングス株式会社(以下、FPT)と東邦ガス情報システム株式会社(以下、TOGIS)が手を組み、2025年5月9日から共同でSAPのパブリッククラウドERPソリューション「SAP S/4HANA Cloud Public Edition」を推進することが決定しました。この動きは、エネルギー業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させることを目的としています。
提携の背景
両社は2023年に、ベトナムのダナン市にOffshore Development Center(ODC)を設立し、IT人材の確保とデジタル技術の革新に向けた協議を重ねてきました。この取り組みを通じて、東邦ガスグループの外販ビジネスの拡大を図るべく、共同での事業開発を目指すことに合意しました。
TOGISは、システム開発やデータセンター事業などを含むサービスを提供しており、今後は外販ビジネスをさらに加速させる計画を持っています。その中ではリソースの課題も抱えていましたが、FPTとの提携によりこれを克服する道を見出しています。
SAP S/4HANA Cloud Public Editionの魅力
「SAP S/4HANA Cloud Public Edition」の導入に至った理由としては、以下の点が挙げられます。
1.
クラウド型ERP市場の成長性 - デジタル時代において、クラウドソリューションは急速に進化しています。
2.
中堅中小企業への適合性 - フレキシビリティや拡張性に優れており、企業ニーズに迅速に応えられることが強みです。
3.
業務プロセスの標準化 - Fit to Standardを用い、プロセスの効率化を図ります。
4.
クリーンコア戦略の活用 - 最新技術を駆使したデータ分析で業務の高度化を実現。
5.
業務の自動化 - AIを用いた業務の自動化により、生産性の向上が期待されます。
これらの利点を踏まえ、両社は「SAP S/4HANA Cloud Public Edition」を採用し、企業の成長に寄与するリーディングカンパニーとしての役割を果たすべく動き出しています。
具体的な施策と今後の動向
この提携を通じて、FPTは今後2年間でSAPエンジニアを50名体制にする計画を立てています。具体的な施策としては以下の2点に力を入れる想定です。
- - 新規顧客の開拓や導入プロジェクトの獲得
- - オフショアリソースを活用した先端技術の導入や開発案件の推進
また、両社が共同で行う営業活動やデリバリー体制の立ち上げを支援するため、FPTの子会社であるFPTコンサルティングジャパンも重要な役割を担うことになります。
この提携は、東邦ガスグループにとっても新たなビジネスモデルの形成をもたらす期待が高まります。デジタルサービスの提供と相まって、さらなる競争力向上を目指す姿勢が見受けられます。
まとめ
今後の展開に目が離せない両社の提携。この協業によって得られる新たなビジネスチャンスは、エネルギー業界に留まらず、ビジネス全体にポジティブな影響を与えることが期待されています。デジタル化が加速する中で、企業間の協力はますます重要になってきています。この取り組みがどのように進展していくのか、今後の動向をしっかりと見守っていきましょう。