新しい高校野球の教科書の魅力
2025年6月19日、株式会社カンゼンから新たに刊行されるのは、『新しい高校野球の教科書 新基準バット時代の打撃技術と科学的コーチング』です。この本は、近年の高校野球におけるバットの革新に注目し、新基準バットを使用する上で必要な打撃技術を、科学的な視点から詳しく解説しています。
新基準バットの導入とは?
新基準バットが2024年春の公式戦から導入されるにあたり、特に注目すべき変更点が2つあります。1つはバットの最大直径が従来の67ミリ未満から64ミリ未満に、もう1つは打球部の肉厚が約3ミリから4ミリに変更されたことです。このように、従来よりも細くなったウィークスのバットは、芯がより狭まり、打球の厚みが増すという特性を持つようになりました。
初めて新基準バットを使用した2024年のセンバツでは、スタンドインのホームランがわずか2本と過去最低を記録しました。同年夏の甲子園でも7本となっており、旧基準との比較から明らかに飛距離が出にくくなっています。これに伴い、選手たちがこの新しい仕様にどのように適応していくかが大きな課題となるでしょう。
本書のテーマと内容
本書の大きなテーマは、「新基準バットでいかに長打を打つか?」です。執筆者である川村卓氏(筑波大学体育系教授)は、この課題に対して明確な道筋を示すため、以下のような内容を精査しました。
- - 打撃メソッドについて: バットコントロールやスイングテクニックの習得方法を科学的に解析。
- - 具体的な練習メニュー: ムービーを通じて具体的な練習メニューを確認し、実践向きのトレーニングを提案。
例えば、芯で捉えるバットコントロールや「インサイドアウト」のスイング練習などが重要な技術として挙げられています。選手がこれらの技術をしっかり身につけることで、新基準バットにおいても飛距離が期待できるとされています。
目次に見る学びの深さ
本書の目次は、以下のように5つの章から構成されています。
1. 新基準バットの正体
2. 良いバッティングとは何か?
3. 縦振りと横振り
4. パフォーマンスを高めるためのトレーニング&ドリル
5. 実戦で結果を出す
これらの章を通して、選手たちは新基準バットの特性を理解し、技術を向上させるための鍵を得ることができます。
著者のプロフィールと専門性
川村卓氏は、筑波大学の体育系教授であり、野球コーチング論の専門家として知られています。彼自身も札幌開成高校でキャプテンとして甲子園を経験しており、教育と技術の両面から選手育成に貢献してきました。多くの元プロ選手が彼の研究室で学んでおり、最新の科学的アプローチが施された教育・指導を行っています。
まとめ
『新しい高校野球の教科書 新基準バット時代の打撃技術と科学的コーチング』は、新しい基準でのバッティングに挑む高校生や指導者にとって、非常に有益な参考書となるでしょう。新基準バットの特性を熟知し、効果的な練習を通じて実践へと繋げるための一冊です。これからの高校野球を支えるために、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。