越境ECの新たな潮流:女性ファッションの購買動向
越境EC(電子商取引)の支援を行う株式会社ジグザグが、日本国内外で注目されるファッション市場において、中国在住の20〜30代女性を対象にした調査結果を公開しました。このレポートは、ファッションECの利用状況や購買傾向を明らかにし、今後の戦略に役立つ貴重なデータを提供しています。
調査概要
本調査は2024年4月28日から4月30日の間に実施され、300名の中国在住の女性を対象に行われました。主な結果としては、ファッションアイテムの購入において公式サイトやアプリの利用が際立っています。また、キャッシュレス決済の利用率が非常に高く、消費者の購買行動が浮き彫りになりました。
ファッションアイテム購入の現状
調査によると、ファッションアイテムを購入する際の主要なチャネルは、ブランド運営の公式サイトが90.7%、公式アプリが82.3%と高い利用率を示しました。さらに、モール型のECサービスも利用されていることが分かりました。この結果から、消費者は公式チャネルを重視しながらも、利便性の高いモール型サービスも利用していることが顕著です。
支払い手段はどうなっているのか
支払い方法に関する調査では、中国のデジタル決済サービス「Alipay」と「WeChatPay」が圧倒的な人気を誇り、特に「アルペイ」の利用率が高いという結果が出ています。67%のユーザーが公式のサイトでの購入を重視しており、信頼性の高いサービスを求める傾向が確認されました。これにより、中国の消費者がいかに安全で確実な購入環境を重視しているかが把握できます。
情報収集の場としてのSNS
ファッション情報を収集するためのSNSについての調査では、スーパーアプリ「WeChat」が84%という高い利用率を示し、次いで「Douyin」が83.7%となりました。これは、WeChatがメッセージングサービスから様々な機能を備えたプラットフォーム(オールインワンプラットフォーム)へと進化していることが影響しています。情報収集から直接購入までの流れが便利であるため、消費者にとって魅力的な選択肢となっているのです。
越境ECの市場趨勢
日本政府観光局が発表したデータによると、2024年9月の訪日外国人の数は287万2,200人に達し、中国からの訪日客数は前年を上回っています。これにより、中国市場へのアプローチがますます重要になってきます。ファッションアイテムが人気を集めている背景には、経済産業省の調査にもあるように、中国が世界のEC市場の50.4%を占めているという事実があります。このデータは、日本企業にとって中国市場の魅力と可能性を示唆しています。
まとめ
今回の調査結果は、中国在住の20〜30代女性のファッションEC利用の特長を浮き彫りにしました。公式サイトやアプリを利用する傾向と、SNSで情報を収集する習慣は、今後の越境EC戦略を考える上で貴重な資源となるでしょう。ジグザグはこのようなデータをもとに、さらに多様なニーズに応えるサービスを展開していく予定です。